つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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 タイトルからもわかるように、ケストナーの子ども(少年)時代の回想が中心となった自伝です。

 これ以外の作品に比べると、内容はやや年上向け。正直なところ、わたしは他の作品のほうが好きです。



読んでて、ときどき辛くなるんだもの。本のすみずみにまで、ケストナーの溜息が込められているような印象を受ける。その溜息は、単純に「昔はよかった」という懐古的なものだけではありません(それも多分に感じますが。自分にも思い至るとこがあるだけにちょっといたたまれない気分。)。寧ろ、彼が子どもの時に吐き出した溜息、周囲の人間の苦しみや痛みを感じたときの溜息のほうがずっと多い。母親、父親、伯父とその家族、厳しかった学校の先生の孤独や歪みを、幼いケストナーの感受性は強く受け取っています。そう、子供はあなどれない。経験しなければ痛みがわからないわけじゃないもんね。

 

 我が子だけに並々ならぬ愛情を捧げ、彼のためならどんな苦労も厭わなかった母親。この母親に対し、ケストナーも同じぐらい大きな愛情を抱いている。でも、それだけ母親を愛しながら、本当にかすかながらその重さを負担に感じていたのではないかと思わせる部分がちょくちょく顔を出します。客観的に見て、私にはこの母親の愛が(訳者高橋さんの言うような)「素晴らしい」ものというより、半ば呪縛に近いものに思えます(え?ひねくれてる?)。クリスマスの思い出のシーン、プレゼントの開け方で父と母の間に立って気を遣わねばならなかったところなどは、苦しくて読み飛ばそうかと思うほど。ケストナーも一人っ子だったんだ・・・わかるよ・・・、その時の気持ちは。

 心の底から愛しているのが我が子だけだったことからくる母親の孤独も、どかか悲しみを誘います。第十一章「子供にも心痛がある」なんてもう・・・(沈)おかーさーん、ちょっと・・・。



 母親に関する部分があまりに重い反動なのか、数少ない父親の描写にはほっとします。どちらをより愛していたかと言われれば、ケストナーは母親だと答えるかもしれません。でも、腕は立つ職人だけれども生活する上での要領がわるかった父親、度重なる不運にも忍耐の微笑をもって耐えた父親の姿を描く筆には、大きな尊敬と愛情、優しさがこもっていました。この部分で、救われた気がする。



うーん、ちょっとしんどかった。でも、これを読むと、幾つもの名作が生まれたのも頷けます。
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