つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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ハヤカワepi文庫は、良くも悪くも衝撃的な話が多い文庫だなあ、と思う。



ちょっとうっかりそのことを忘れて読み始めたので、思いのほか刺激が強かった一冊。



タイトルを見たときは、古典ぽい話なんだろうか?と思いこんでいたけどそれは全くの誤解。これは、近未来の、ややSFのようなお話。



女性の権利がほとんど奪われ、恋というものの価値がまるで認められない世界。そこでは、放射能汚染や環境破壊によって、「五体満足の」子供の出生率がひどく落ちている。

政府は、再婚の夫婦・及び未婚者の私通をすべて罪だとし、女性の方を捕まえては「侍女」という身分に落とした。エリートの家庭の主人の子供を産むためだけの道具である、「侍女」という身分に。

物語は、こうした侍女の一人である「オブフレッド」の語りで進んでいく。解説読むまで気付かなかったのだけど、他の侍女たちにも使われる「オブ」というのは、「誰々のもの」という意味でくっついているらしい。侍女たちは、本当の名前を取り上げられて、誰かの「もの」になってしまうのだ。



しかも、子供が「五体満足」でなかったとわかるやいなや、その子供は闇へと葬り去られてしまう。何度も「失敗」した「侍女」は、不完全女性の烙印を押され、やはり葬られねばならない、という・・・。





フェミニズム系(なんか語弊のありそうな括り方)の小説を読むたび、なんとも言えない気持ちになってしまう。感想を書こうにも、具体的に自分の感情がことばにならない。しいていうなら、不快感、自分のなかの何かが追い詰められるような気持ち、でも知りたい、知らなくてはならないという気持ち・・・だろうか。そして、どうあがいても自分も女なんだなあ、という痛み。主人公の声にならない叫びに向かって、自分の中のなにかが応えているような気がした。



これも最後の解説にあったけど、本当に「ゲド戦記」(の後期の作品)を思い出させるなあ。名前が重要視されているところ、とか。でも、フェミニズムの観点だけ(あくまで、その観点だけで)で見るなら、こっちの方がしっくりくる書き方だ。貶められているのが女性だけではないから。虐げているはずの男性も、いつのまにか自分を貶めている。両者が互いを地に引き摺り落として、血まみれになって、絶望している。ものすごく虚しい世界だけど、それほど現実から遠い話でもない気がするのは何故だろう。



フェミニズム的な読み方をしなくても十分楽しめる作品ではあるのだけど。いつ殺されてしまうかもしれないという緊張感、同士をみつけた時の喜びや、血縁に対する複雑な感情とか、ひとつひとつの要素をとっても目が離せなかった。この人は児童書も書いているのか。ちょっと、読んでみたいかも。
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