☆☆☆
さて。感想。
前回書いたときも、読むのにかなり苦戦してたこの本だけど、結局始めから終わりまで、うまく波長を合わせることができなかった感じ・・・。学生時代にも一度読んでるのだけど、その時もやっぱり眉間に皺を寄せて読んじゃったんだ、たしか・・・。
抽象詩だから意味が取りにくい(それに加えて、ランボーや中也の思考段階に、私が遥か遠く追いつけない)というのもあるのだけど、その本に入り込めるかどうかというのは、私の場合意味がわかるかどうかよりも、言葉をうまく租借して、自分の中で映像化できるかにかかっている気がします。その点で、これはちょっと、無理だった。詩の持つ言葉のリズムにうまく乗れなくて、躓いてばかりいた感じなの。そこで引っかかってるせいで、次の行を読むときには、前の行を忘れてる、という有様(涙)。途中から読むのがしんどかった・・・。
あ、でも、「谷間の睡眠者」と「酔いどれ船」は何だか好きでした。あと「恥」も。特に「酔いどれ船」はいいなあ。これだけは、鮮明にイメージが浮かんだ。それこそものすごく揺れる船に乗って、悪夢と穏やかな夢を滑っていく感じ。この詩に限らないけど、ランボーさん(馴れ馴れしい)の詩は、たいそう美しいものと酷く醜悪なものが一緒に(雑然と)並べられて、その不調和がかえって不思議な美しさを持ってる・・・ような気がする(何せほとんど正確な意味はわからなかったので、ものすごく的外れなことを言ってるかもしれないけど、ご容赦を)。じっと見てると、汚いものの中にも逆説的美しさがあるようにも思えてくる。(シェイクスピアの何かに出てくる魔女がそんなこと、言ってなかったっけ?汚いはきれい、みたいなの。)
あ、この本、ランボーの訳だけじゃなくて、ボードレールとか、ヴェルレーヌとか、ジイド(「死人の踊」という詩がシニカルで印象的)とか、あと知らない詩人さんの訳詩なんかも入ってました。ランボーよりも、どちらかというとそっちの方にわかりやすい(わかりやすい=優れた詩、と思ってるわけじゃないよ!もちろん)のが多かったかな。
今度は訳詩じゃなくて、ご本人の詩集を読みたいな。解説に引用されてた「一つのメルヘン」に、実は一番ひきつけられたのでした。