つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
今日から二月です。一月は、思いがけずめまぐるしく過ぎてしまいました。

先月25日、母方の祖母が亡くなりました。享年95歳。今日の日記は、ほとんど自分の気持ちの整理のために書きます。
五年ほど前から住み慣れた岡山から関東に引っ越した祖母は、年に数回、岡山に住む娘たち(私の母を含む)のところに滞在していました。本当に元気な人で、ちいさな体に大きな荷物をかかえ、東京駅の雑踏もなんのその、一人で新幹線に乗って、うれしそうな顔で岡山まで帰ってくるのです。
この年末年始もそうでした。ただ、今回の滞在は、今までに比べるとほんの少し、ほんとうに少し、元気がないように見えました。これまで何でもおいしそうに食べ、ほがらかだった人が、もうおなかいっぱい、食事減らしてちょうだい、ってしきりに口にしてた。不機嫌な日もいつもより多かった。さすがにおばあちゃんも高齢だから、ちょっと疲れが出てきたかな、ここからは一年一年が恩寵のようなものかもしれないね、そういいながら祖母をホームに見送ったのが一月の六日。
そこからほどなくして本格的に体調を崩し、検査の結果病変がわかった時にはもう手の施しようがなく、結局、十日足らず入院しただけで、おばあちゃんは亡くなってしまいました。いつだって活動的でせっかちで、歩くのも私より早いような祖母でしたが、こんなときまで駆け足なんて。

本人をはじめ誰もが予想しなかった最期に(「お医者さんに百まで大丈夫!って言われたよ、私は毎日運動もしてるし脚も全然痛くないし、きっと最期は心臓が弱って眠るように死ぬんだと思うよ」というのが本人の口癖だったし、私たちも半ばほんとうにそうなると信じていた)まだ心の整理がつかず、お見舞いに行ったときの祖母のあきらめたような顔を思い出すと、あれほど健康に気を遣い、ついこないだまで活動的に動き回っていた人が徐々に動けなくなる無念はどれほどだったかと思うと、言葉にいいあらわせないような気分になります。
同時に、最後に帰ってきたとき、私たち家族はそんなに祖母に楽しい思い出をつくってあげられなかった、ということが重い後悔として残ってしまいました。繁忙期のため両親はあまり祖母につきっきりでいることができず、私は話相手にこそなっていたものの、時には祖母を持て余し、内心少しめんどくさいなと思っていた。今から考えると、その頃から体調の変化に自覚はあったのかもしれません。それを押して帰ってきたのかなと思うとつらい。お見舞いやお葬式に向かう道すがら、こんな遠い道を、こんなに人があふれかえる道を一人で頑張って帰ってきたのね、と思って涙があふれました。

せめてもの救いは、祖母が一番嫌がっていた「点滴につながれて苦しみながら弱っていく」苦痛が、ごくごく短い期間であったことかもしれません。そして、お別れの時間だけは残してもらえたことも。それは祖母の救いというよりも、正直残された私たちにとっての救いというだけなのかもしれないけれど。
おいしいものが好きで、お花や旅行や買い物が好きで、絵を描くのも好きで、好奇心いっぱいで、一方で好き嫌いははっきりしてて、時々無心にぐさっとすることを言い(でもあくまで無心)、基本的に人生の明るい面にひたすら目を向け、陽気で楽天的なおばあちゃん。彼女の性格をあまり受け継がなかった私にとって祖母という人は、ときにその明るさやエネルギッシュさが脅威であり、でも同時にかわいい人でした。そして、人生をすみからすみまで思い切り使い切った人でした。私が同じくらいの年になっても(なれるのか?)、きっとこうはいかないと思うもの。

お通夜の席でお坊さんが三途の川の話をしていたのをぼんやりと聴いていて、四十九日かけてわたるというその川の渡し船はどんな船なんだろう、とふと思いました。
何よりさみしいのが嫌いで、電車の中でもお隣の人と話し込むのが常だった祖母。もしもそういう川があるとするならば、そして渡し船のようなものがあるとするならば、それが寂しい渡し船じゃないといいな。にぎやかな乗合船みたいなのだったらいいな。そこで気の合うお友達でも見つけて、ゆっくり話し込んでいるといいのです。

とにかく、祖母が寂しくないといいな、というのが、祖母を送った今一番願うことです。宗教に懐疑的な私ではあるけれど、こういうとき、人は祈るしかないのかもしれない。

テーマ:ひとりごと - ジャンル:日記

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