つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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 このちくま日本文学全集シリーズ、全50冊の作家別短編中編集ですが、とても洒落た本だなあ、と思います。何せ、全巻表紙が安野光雅の絵なのですよ!筑摩の本は安野さんの表紙のが多くて好きだ~。背表紙や裏表紙も、古ぼけた布のように見える装丁になってて、ちょっぴり外国の本を読んでるような気分になります。文庫本が分厚くなったような本で、電車に乗るときも持っていけるし。ただ、カバーかかりにくいし、すぐ傷んじゃうのが難点と言えば難点・・・(^^;)





 それはともかく、中島敦という作家さん。名前しか聞いたことがないや・・・と思って読み始めてすぐに、びっくり。二つ目のお話、私が何かで読んで、ものすごく気に入った話だ!その名も「山月記」。

 そうか、中島敦と言う人の作品だったのか~。また読んでみたいと思いつつタイトルもわからなくなっていたので、とてもうれしい出会いでした。普段私が好むような装飾的な文体じゃないのに、(でも漢語がたくさん出てくるからか、引き締まった印象。)写真のように映像が浮かぶ。とても幻想的で、もの悲しさがじわーっと広がっていくようなお話。中でもひとしお胸にこたえたのは、虎に変身してしまった李徴の言葉。

「己の珠に非ざることを惧れるが故に、あえて刻苦して磨こうともせず、また、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することもできなかった。(中略)人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。おれの場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。」

うう、涙でそう。前に読んだ時は、クライマックス、月に向かって咆哮する虎の面影があまりにも悲しく心に焼き付いていて、全くこの言葉について思うところはなかったのだけど、今読むとそのシーンをしのぐ勢いで、この台詞が付き刺さってきます。



 他の作品もものすごく面白かった。エジプトを舞台にした「木乃伊」(これ、澁澤龍彦の何かの作品に似てる気がする。)や、書物の精霊に復讐される「文字禍」などもわくわくして読んだのだけど、やはり一番面白いのは、「名人伝」「弟子」「李陵」などの中国ものだと思います。私これまで孔子や中国の歴史が題材のお話って、全く興味がもてなかったのに(すみません)、これはどんどん頁をめくっておりました。あー、いい旅をした。
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