つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
家の本棚から発掘した本。どうやら父の学生時代に買った本みたい(最後のページにわざわざ署名が・・・!)。何やら書き込みだらけだぞ、なんで・・・・?



と思って読み始めたんだけど、すぐその理由がわかりました。えー・・・旧字が難し過ぎて読めません(汗)。仮名殆ど振ってないのよ。そして、哲学や科学やドイツ語、仏教用語が散りばめられてる~!

そんなわけで、どうやら親は辞書を引き引き読んで、一々それをメモりながら読んだみたいです・・・途中まで。半分くらいで挫折した形跡がありました。

私はというと、わからないところは勘に頼って読みました。だってー、一々辞書引いてたらいつ読み終わるかわかんないんだもの!そんなわけで、正直あんまり内容の深い理解は出来てないです。「?」を頭にくゆらせつつ、二週間かかって読み終わった。



にも関わらず、やっぱりいい詩集だった、これ好き、と言っちゃいます。巨きい人だな、賢治さんは。



いつもに増して、まとまりなく感想を書いてみよう。



・この人の詩を理解しようとすると、詩の言葉も、そして自分の中の思考も光を放ちながら逃げていく。それはもう、びゅんびゅんと。手元に残るのは、形にならない光の欠片だけ。けれど読み進め、そういう欠片が心の中に積もっていく感覚は、とても心地よい。

いつかは、捕まえられるだろうか?あと十年後、二十年後には、もう少し捕まえられるだろうか?言葉を。感覚を。

・自然界と、自分の体内宇宙が密接に繋がった詩。循環している。どちらがどちらかわからなくなって、ひどく頼りない気持ちにさせられることしばしば。そういう詩の中で好きなのは「真空溶媒」と「春と修羅」の序。

・遠くから地球を見下ろす賢治の眼と、その目玉の中を覗き込もうとする私たち。

・宗教に対しての葛藤、芸術に対しての葛藤、そして死というものに対しての激しい葛藤を感じる詩が時々ある。私はあまり宗教的なものって好きじゃなくて、それはそういうものを薦めてくる人たちの中にある懐疑性のなさだったり、自己矛盾に対する苦しみや葛藤のなさのせいだったんだけど、賢治の詩の中にはちゃんとそういうものがある。その上にうちたてられた信仰だったんだなあ・・・。

こういう詩を読んだ後で、今までそれほど好きでなかった作品「雨ニモマケズ」や「よだかの星」を読むと、全く印象が変わるのです。あの境地に辿りつくためには、壮絶な葛藤が常にあったのだと思う。



・・・こんな感じ。半分も書けてないんだけど、うまく纏まらない。



今度は新版で、もっとゆっくり読んでみたいなー。ちゃんとわかりやすい注がついてるやつ!(これ、最後の最後に注釈がついてるの見て、ショックだったよ。)
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どんどん更新頻度、落ちてますね・・・。ごめんなさい。今月中に、もう一冊くらい更新できると良いんだけど。



「極楽の魚たち」。これ、何にカテゴリー分けできるだろう・・・。図鑑?アートブック?うーんよくわかんない。

この「ファンタスティックダズン」シリーズは、昔の面白い(&驚異的な)彩色図鑑を荒俣宏が編集して、解説を付けて廉価版で出版したものなのです。廉価版、といっても結構高いので(そして割とスペースも取るので)買えなかったんだけど、某本屋さんのブックセールで半額になってたので、即購入です。ふふふ。絵のアイデア満載なんだ、これが。



で、この本はそのお魚版。「西洋三大図鑑」の一つになるという、ルイ・ルナール刊行の」モルッカ諸島彩色図鑑」を再編集したものなのだそうです。図は、サムエル・ファロワズという人の手によるものらしい。

ページをめくると、遊園地の遊具の配色かと思うよなカラフルな魚たちがお出迎え!形も模様も相当ユニークだなあ・・・なんて笑ってたら、この魚たち、結構本物に忠実なのだそう(当時としては)。えー!だってこのハリセンボンなんて、目つき怖いし、怪獣じゃない!似ても似つかないような気がするのに・・・(汗)

数百年前の図なのに、最近発見されたような特徴を捉えてる図なんかもあったりして、ファロワズの観察の細かさにびっくりさせられます。うーむ。





けれど!どうやら正確なのはこの本の半分くらいまでの模様。残り半分の写本になってくると、「それはないだろー・・・」とツッコミを入れたくなってしまうような化け魚ばかりです(好きだけど)。体にお日様の絵が描いてあったり(それも、何だか力が抜けるような情けない笑顔だ)、あるべきひれが全然なかったり、目玉が毬栗みたいだったり・・・。荒俣さんの「これはもう駄目だ」「悪夢を混ぜて作った模造品」等のコメントが笑えます。でも人間の想像力って、面白いなー。ちょっとこれ、特撮の怪獣に通じるかもね。



絵の下についてる、魚の名前&解説にも出来れば注目。大嘘ついてるコメントあり、何でそんな名前?ってくらい投げやりな命名された魚あり。隅から隅まで、楽しませてもらいました。



うーん、シリーズの他の本もいつか欲しいな。もうすこし小さい版があれば・・・でも、迫力薄れちゃうだろうなー。




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プラネタリー・クラシクス本第三段。これも、古本屋さんでの掘り出し物です。



野尻抱影と言えば、「星の伝説」や「星 三百六十五夜」シリーズに代表される、星の専門作家さん。でもこの本は、お星様の本ではありません。なんと、イギリスをきらきらと駈け回った、魅力的な「大泥棒」たちの紳士録、なのです!昔の史伝を参考にしつつ、まるでその場にいたかのように彼らの鮮やかな所業(と、処刑場に消えるまで)を描いてるの。かっこいい!おもしろーい!



メインの「ワル」たちは五人。とってもハンサムで、富めるものから盗み、貧しいものには気前良くそれを与えてしまう義賊クロード・デューバル(女性にモテモテ!)、愛馬の黒馬に乗って、伝説的な逃走劇をやった「街道の騎士」ディック・ターピン、幾度も脱獄をやってみせ、ロンドンっ子たちのヒーローとなるジャック・シェパード、そして五人の中では異色の凶悪さを持ち、ジャックの敵でもあったオスカー・ワイルド、超豪華な生活の傍ら盗みをやっていた「殿様強盗」ジェームス・マクリーン。

どれもそれぞれ、魅力的な泥棒たちだけど、やっぱり何といっても、クロード・デューバルやディック・タービン、ジャック・シェパードに目が行くかなー。盗みの手口なんかはそんなに華麗とも思えないんだけど、デューバルの妙な純情さ(彼は王様を崇拝してるんだけど、裏切られると猛烈に怒ったりするんだ。盗んだお金も「大切に使わなくちゃダメだぞ」なんて言って渡しちゃうし)や、タービンやシェパードの自己顕示欲、いやいや少年らしい自尊心がね、いいんです。わざわざ、見つかるようなところに出ていって派手なことをしちゃうんだな。それが結局彼らを滅ぼすんだけど・・・・。

タービンが愛馬を酷使した末死なせてしまい、悲しみのあまり気力をなくして捕まっちゃうシーンには、ちょっとほろり。シェパードの絞首刑のシーンは、その潔さに目を見張ります。この場面は、そのまま映画になりそうだよ。



でも、盗人たちの上前をハネながら、ロンドンの権力者として長く君臨したワイルドも、ものすごい存在感です。この人だけは、筋金入りの悪人なんだけど(処刑のときも、嘆き悲しみながら見送られたデューバルやシェパードとは違ってて、腐った卵を投げつけられるわ暴行されるわ、なかなか気の毒)、その賢さは誰もが認めると思います。マフィアのボスみたいなものかしら・・・。暴虐かつ狡猾で、人の操縦がうまいのね。





泥棒たちの偉業を描いた部分以外にも、ほほうなるほど・・・と思う部分、多数。まだ暗黒社会だった頃のロンドンの様子が詳しく書かれてて、ちょっとびっくりした。ジン(お酒)が社会全体に広まってて、少年少女から老人までみんな酒浸りだったって、ほんとなのかな。泣く赤ん坊にもジンを含ませたりしてて、路上には酔って死んだり、酒絡みの殺人事件のせいで死んだりした人の遺体がごろごろ・・・とか。ちょっと信じられないねえ。

大泥棒たちの一挙一動に、そして処刑に注目する民衆の様子からも、微妙な人間心理がうかがえます。愛すべき泥棒への同情と一緒に、どこかで人が死ぬことに対して期待がある。一種のショーを心待ちにする、あれね。

彼らは派手に活躍した後、必ず捕まえられねばならないんだ。そのまま逃げおおせてしまっては、きっとダメだったんだ。そういうものを、醜いと一言で切り捨ててしまうことはできないけど、泥棒たちのきらめきとともに、かなりダークなものも伝わってくる一冊ではあります。





巻末には、古今東西の大泥棒リストが。それぞれの泥棒の活躍や末路、名言なんかが載ってて面白い。一度全部読んだら、今度は本の左ページ端に御注目!盗みや犯罪について言及した名言が、一ページごとについてます。お忘れなきよう。


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父の蔵書からひっぱり出してきた本。今から三十四年ばかし前の文庫なので、ページはすっかり紙魚だらけ、日焼けで茶色く変色している有様(どうでもいいけど父、カバーをはずしての捨てるの止めてよね!)。

最近になって、親と読むものがかぶることが増えてきた。



さて、「コクトー詩集」。



うーん、行と行との間を空中ブランコで飛んでいるような感じ。下にはばっくりと暗黒が・・・。



・・・というのが、読み始めて暫くの感想。うまく言葉が頭の中で像を結ばなかったのです。どうしても、一つ一つの言葉に、解釈という橋(それもごく凡庸な、陳腐な解釈)をかけようとする悪い癖から抜けきれなくて・・・。



けれどだんだんその悪癖を抜いていったら、あるときいきなり視覚的イメージの大波に呑み込まれます。心地良いんだ、とても。



港や市場の情景が歌われた詩、お祭りのきらめきと闇の交代劇、一日の始まりと終わり・・・(鶏が死刑執行人で、朝日が血を流すから夜が明けるんだ、っていう内容の詩が印象的だったなあ)。喫茶店に入って読んでたんだけど、だんだん周りの音が聞こえなくなって、脳裏には妖しい劇場が。スパンコールを降らせよう。



「用語集」「平調曲」がなかでも良かった。「用語集」では、「白髪も、若者が戴くと」(オリーブの樹への賛歌)「或る白鳥の死」(真っ直ぐに落下していくイメージ。「もうじき僕は歌わない」という結びの言葉が利いている)、そして幼年期の思い出が甘く苦く立ち込める「嬉しいことも」がいっとう好み。

「平調曲」は、詩人としての矜持、葛藤、死への引力と恐怖、恋人を奪っていく眠りへの恐れ、彼を翻弄し、休ませてはくれない詩人の女神たちへ投げかけた言葉・・・が、三つの長い詩で綴られてる。

二番目の詩にある、青インクみたいな夢の世界が一番好き。地下の世界にまで広がっていき、自分以外の存在とも接続されている夢の世界。恋人が眠っているとき、詩人は彼女を失うのが怖い。どんなに体を結びあっていても、眠りとともに彼女は肉体のドアを空け、彼の知らない世界へ旅をしているから。空っぽの体の中に、恋人はいない。・・・そういう詩。



・・・夜ふと目が覚めたとき、きっとこの詩を思い出す。そのくらい美しい詩だった。



うーん、詩、いいなあ。鈍っていた感覚の扉が、いくつもノックされた。たとえ錯覚だとしても、よい詩に出会うと暫く、自分まで研ぎ澄まされた気分になれて、嬉しい。
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