つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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うわあ、久しぶりにみたらプロフィールの画像が出てる。随分前に適当に投稿したときには、ちっとも変わってなかったのに・・・。

そのうちもう少しましなのに差し替えよう。



さて、「心洗われる話」。これがちくま文学の森シリーズじゃなかったら、確実に読んでないタイトルです。お涙頂戴の美談なら、テレビで飽きるほどやってるもんね。これはそう言うのじゃないといいな・・・と思って読む。

杞憂でした。所謂美談物みたいなのはあんまりなかった(あとがき見たら、そういうものは意識的に避けて選んだみたいです。安野光雅氏によれば、「およそ美談は理に落ちる」「真実心を洗われるのは、理屈でなくむしろ感性の領分によるものであろう」とのこと。全くもって同感。)多くの話が、どこの場面に感動した、と具体的に説明しにくいものでした。全部読んでみてはじめて、その話の要素全体からほろりとさせるものが立ち上ってくる感じなのです。多分一箇所でも抜けちゃうと駄目なんだろうな。



今回は、圧倒的に日本の作品の収録が多かった。海外作品は、二十一作品中六つだけ。その中では、アナトール・フランスの「聖母の曲芸師」が最も胸を打つ作品だった。ちょっぴりおとぎばなしのようでもある。愚直なひたむきさって、時々ものすごい説得力があるものだな・・・と思わされるお話なんだ。



太宰治の「蜜柑」、樋口一葉の「たけくらべ」は再読だけど、いいなあ。「蜜柑」のラストには、素直に自分の気持ちを重ねることができる。「たけくらべ」は今回初めて良さがわかった。脇役の快活な少年たちが時々見せる哀れさに、胸がちりちりする。もちろん、主役の美登利にも。

あ、梶井基次郎の「闇の絵巻」も好き。イメージによって心が透明になっていく。同じ理由で、「母を恋うる記」(谷崎潤一郎)「島守」(中勘助)も良いなあ、と思う。三味線の哀切な音色や、鳥が女性に変身する夢。文章に耳を澄ますようにして、読みたい。



他にも色々好きな作品はあったんだけど、あと「これは!」というのを挙げるとしたら、野尻抱影「三つ星の頃」と、宮本常一の「土佐源氏」かな。前者はこのアンソロジー中お気に入りナンバーワン。二三度読み返し、その度にちょっとじわっときた。病床の少年が、優しかった兄嫁(故人)の面影をオリオンによって思い出し、眠りにおちていくまでのお話。ラストの一文を、小さい声で口に出してみる。

後者は、最初読み始めたときは「うわ、なにこのおじいさん」と思ったのですが。なんでだろう、最後にはすごくいい話に思えてしまって。舞台は結構生臭い世界なのに、そして語り手の老人は「女を構いすぎて」目が見えなくなった、という人なのに、伝わってくる印象はむしろさわやかなの。なんで好きなのかわからないんだけどな~、本当に。誰を糾弾するでもなく、淡々と自分の人生を生きて、そしてごく自然に女性たちの悲しみも吸い取ってしまうようなおじいさんが、最後には仙人みたいに見えてくるのですよ。





ああ、読んで良かった、とすがすがしく本を置いたのでした。


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・・・勉強に関係ある本じゃなくて、普通の小説も読みたいなあ(涙)なんて。



日野市立図書館、という図書館があります。図書館関連の本を読むと必ずと言っていいほどとりあげられている図書館。ここはもともと、建物のない移動図書館からスタートして、その年には中央館や分館をもつ図書館へと成長した、すごい図書館なのです(・・・行った事無いけど)。この本の著者は、その設立に深く関わり、また、滋賀県立図書館館長も勤めた人物。

図書館に深く関わってきた立場から、筆者は図書館に対する行政・図書館職員の姿勢を鋭く批判し、戒めている。それと同時に、図書館は市民によってつくられていく、という基本についても思い出させてくれる本。



これまで図書館のいいところだ、と思っていたものが必ずしもそうじゃないとわかってびっくり。これからは、図書館建築の立派さとか、たくさんの珍しい企画や催し物とかを見る目がちょっと変わってしまいそう。「貸し出し・レファレンス・図書館行事は互いに関連しあった立体的なものでなければならない。決して、花から花へと移るようなものであってはならない」という言葉にずしんときた。



それにしても、こういう本、読めば読むほど不安になってくるよ・・・本も人も好きでなければ出来ない仕事なんだって言われると、全然適性無いような気がしてくる。事務処理や予算会議、選書・・・自覚を持ってやらなきゃいけない仕事は山積みなんだなあ。頭が痛くなってくる。(まだ資格も取れてないのに何を言うかって感じだけど。)



ああ~~~~。・・・ここでへこたれちゃ、駄目なんだけど。
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生涯学習レポートの参考になるかな、という心積もりで読んだのだけど、なかなか興味深かった。「図書館」という場所、またその関連機関について、色んな角度から紹介した本。図書館の歴史、文字の歴史なんかも書いてある。



もうほかの本で嫌というほど読んだよ、ってところもあったけれど、図書館のサービスの紹介や、資料の探し方の章なんかは良い復習になった(もっと早く読めば良かった・・・資料組織や情報検索の授業の前に)。専門書というより、ほんとに図書館の紹介、という本なので読みやすいし。参考書としても、単に図書館に興味を持った人にとっても面白い一冊じゃないかな~。



この本で、文庫(新潮文庫とか講談社文庫、というときの文庫にあらず)活動というものを初めて知った。ほ~、こういうものなのか。有志の人が集まってやるものであっても、生半可な覚悟じゃできないんだなあ。始めてしまったら責任がつきまとう。ちょっと子供が好きで、本読ませてあげたい、というくらいじゃ駄目なんだ・・・。文庫活動に携わる人の熱意に頭が下がる思いがしました。

文庫に限らず、司書の仕事でも、他の仕事でも同じなんだろうけど。専門性、仕事に対する責任の自覚は絶対必要で・・・でも、それを考えると、途端に怖くなってしまうのが困りもの。あうう。



生涯学習のレポートより、児童サービスのレポートに使えそうな箇所が多かったかな。(私信)
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長々書いて投稿したら、なぜかエラーになって消えちゃったのですよ~・・・さすがに凹みました。うう。



もう一度欠く気力が失われてしまったので、読んだ本だけ上げておきます。「僕はかぐや姫」「至高聖所」。いずれも福武書店。

ものすごーーーーく気に入ってしまった。好きな作家に一人追加、です。それだけ書いておこう・・・しくしく。
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太陽の光にアレルギーを起こす子供たちのための病院、海猫宿舎。ここには、十歳から十二歳までの子供たち五人と、優しいヒバ先生、その息子ショウマさんが暮らしていた。そこに青い目をした新しい先生がやってきてから、不思議な出来事が起こるようになって・・・



初期の長野まゆみが一等好きだった身としては、嬉しくなってしまうような児童文学テイストな作品。しゅわっと溶ける砂糖菓子みたい。子供たちがそれぞれに可愛らしく、そのやりとりもほほえましい。この人の描くものにしては、珍しくあまり毒や冷たさが薄い少年たちだなあ・・・と思った。背がひょろりと高くて温和なユンクと、ちびっこで声が小さなネリがお気に入り。パスカル先生の造形なんかは、ちょっと宮沢賢治を意識しているような感じもするんだけど、どうなんだろう。

鳥に飛び方を教えるというストーリーは、「少年アリス」を思い出させた。鳥や魚、鉱物のイメージは、長野まゆみワールドの重要な要素だよね。「彼等」シリーズ(ちゃんと読んでないけど)の刊行なんかを見てて、もうこういうのは書かないのかなあ、寂しいな~、なんて思ってたけど、割と最近の作品なんだなぁ、これ。ちょっと安心した。



表紙も作者の手によるもの。そのまま絵葉書にして飾っておきたいような、静かな印象の灯台の絵。図書館で借りるんじゃなくて、自分で買って読めばよかったかな。
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友達が「面白いよ~!」と薦めてくれた長編小説。有難う、ヒノキちゃん。ほんと面白かった。



内気でまだ少女っぽさの漂う主人公。身寄りもなく貧しい彼女は、お節介な老婦人の「コンパニオン」(・・・そんな仕事があるのね)を務めていた。退屈で屈辱的な日々の連続が、ある大富豪の中年紳士マキシムとの出会いによって一変する。マキシムに求婚され、彼の屋敷のあるマンダレイに住むことになった主人公は、そこで謎の死を遂げた先妻レベッカの存在感に苦しめられるが・・・。



この物語の見所は二つ。一つは何と言っても、主人公の心の成長。もうね、この人ものすごく可哀想。右も左もわからない女の子が、ものすごく格式ばった家に放り込まれて、好奇心いっぱいの来客の目や、先妻を崇拝してた召使の悪意に震え上がってる様は、読んでて痛々しい。肝心のマキシムは彼女の不安を正確に理解してくれない上、何か彼女にすら隠している秘密があって、それが二人の間を隔てている。



 主人公はマキシムが先妻をまだ愛してて、自分は孤独を癒すための愛玩動物的な存在にすぎない、なんて誤解をして深く傷付くのだけど、最後には自分の恐れやためらいを克服して、マキシムにぶつかっていく(この過程が実にはらはらわくわくするのです)。彼から愛してもらえなくても、私は彼の友達のように側に寄り添っていたい、という一心で。けなげだな~。感心するよ。

 彼女の内面の強さに比べて、夫マキシムのなんと頼りないこと。事態が明らかになるまで(いや、なってからも)、このマキシムに腹が立ってしかたなかった。何てふがいない!主人公の父親のような年なのに!!ちゃんと説明してやりもせず、自分の殻に閉じこもっちゃうなんてひどい。しかも全てを打ち明けて二人の心が通い合った後も、「君に気苦労をかけたために、君の魅力であった少女のような夢見るような可愛らしさが損なわれて残念だ」という趣旨のことを言うんですよ、このおじさんは!馬鹿!

・・・この人がこういうキャラクターじゃなかったらお話しが面白くならないとはいえ、何て情けない人。これなら、主人公の理解者になってくれた友人の男性の方がよっぽどまし(笑)。



心理描写もさることながら、もう一つの見所はストーリーに味付けされているサスペンスかサイコホラーっぽい雰囲気。特に後半、主人公たちの心が通じた後はレベッカの死因に纏わる事件の結末に目が離せない。最後の最後の真相解明は、推理物を読んでいるような面白さでした。この作品映画になってるみたいだけど、さもありなん。いかにも映画向きのストーリーだもんなー。

レベッカ、いやな女ではあるけど、ちょっとかっこ良かった。あっぱれ。



全体的に古典の香りがするのだけど、そんなに古い作品でもないのですね。他の作品もチェックしてみるべく巻末をみたら、「愛はすべての上に」とか「青春は再び来らず」「愛すればこそ」「愛の秘密」・・・など、ハーレクイン?な印象のタイトルが並んでて、ちょっと圧倒されました。うーん。




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サンタ・ルチア・ディ・シニスコラ、という魅惑的な名前の土地。ここでは、人間の作り出したもの、そして、人間そのものと、太陽や海、そして荒荒しく生い茂る植物たちがあまりにも鋭い対照をなしている。自然の中の、(攻撃的でさえある)美しさや生命力の前に、人間たちは、あまりにも矮小で汚らしく見えるのだ。



けれど、その中でたった一人だけ際立って美しく、そして崇高なイメージを与えられている少女がいる。それが主人公ヴァニーナ。聡明で、でも体の中に野性を飼っているような少女に見える。彼女は、遊びに来たこの地で一人の美しい少年を見初め、その少年に身を委ねる儀式を行うことに決める。「海の百合」は、ヴァニーナがこの少年と出会い、突発的にその儀式の約束をとりつけ(この約束を、彼女はじつに一方的にとりつける。少年にはほとんど口もきかせない)、それを果たし、名前も聞かぬままこの地を去っていくまでの物語。



ストーリーだけ書いちゃうとなんだか俗悪な逢引話みたいなんだけど、風景の描写やヴァニーナの繊細な内面描写のせいで全然そんな俗悪さは感じなかった。全てを少年に「捧げる」、完全に「いけにえ」に徹する気でいながら、本当は少年を選び取り、自分に傅かせているのは他でもないヴァニーナである、という点も良いなあ、と思うのです。野蛮な女王と弱弱しい少女の二重写し。彼女は少年に抱かれることを大自然(特に「夜」)に身を任せるように捉えているのだけど、そうすることで彼女自体が夜を飲み込み、夜そのものになっていくかのよう。前夜の夢うつつのシーンなんか、秀逸なのです。



表題にもなってる百合の花の香りや、海の上で味わう灼熱の太陽の感触が、なおさら官能的な雰囲気を作り上げている。かなりエロティックな小説だけど、主人公は少しも汚れないから(これが受動的なヒロインだったら読めない)好きさ。



他のも読んでみよう、と思ったら家の本棚に「黒い美術館」発見。誰が買ったんだろう。年々親の読むものと趣味がかぶるようになって、複雑・・・。




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 あけましておめでとうございます。これを書くの、随分久しぶり。



 さて、「ZEROより愛をこめて」。

 安野光雅が、架空の甥っ子(受験を前にした、そう出来の良くない悩み多き少年、という設定にしているらしい)に向けて書き綴った四十数通の手紙・・・という形式の本。タイトルを読んだときは、「ZERO」と名乗る人物が手紙を書いているのかと思ったのだけど、読んでるうちにそうじゃないのかな?と思うようになった。寧ろ、物事をゼロ地点から考えよ、というお話みたいだから、「ZERO」は場所のこと?わからない。

 

 えー・・・この本にいまいちのめりこめないまま読み終えてしまったのは、内容のせいではなく、読み方に問題があったせいかと思われます(汗)他の本と併読しながら、二週間かけて暇なときにぱらぱら読んでいったのですが、だんだん何を書いてる本なのかわからなくなってしまった。一つの手紙であるテーマについて話してて、「この話の続きは次の手紙でね」って書いてあるのに、次の手紙では旅先の話や全然違う話になってたりするのですよ。で、忘れた頃に前のテーマが出てくる。注意深く読んでいけば、たぶん全てのお話は繋がっていて、実に「哲学してる」・・・という感じの本なのだろうけど。「走れメロス」が出て来たりデカルトやパスカルが出て来たり、かと思えば数学的思考の話が登場したり。軽いエッセイを求めて読んだ頭には、ちょっと難しかったです。



それにしても安野光の話し方って、ほんとに変化球的。テレビで喋ってるときもそう思ったけど、これ読んでさらにその印象が強まったよ。面白いんだけど、ちゃんと聞いてなきゃちんぷんかんぷん。


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