つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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一回書いたものが消えるとものすごくがっかりするよね・・・なんだよ~ばか~。



「すぐそこの遠い場所」と併せて読むと一層面白い本。薄い紺と黒の二色刷りで、挿絵がとっても洒落ている。飾っておくだけでも愉しめるんだけど、それじゃ勿体無いので読んでみよう読んでみよう。



近くて遠い国、アゾットへの冒険記。

クラフト・エヴィング商會三代目が、ふと開けてみた古いトランク。そこには、よくわからない不思議な小物と一緒に、先代である祖父の遺した手帖が入っていた。その手帖こそ、アゾットの旅行記。読み進めていくうち、わけのわからない小物たちの来歴がわかったり、新たな謎が生まれたりして・・・



アゾットは、21のエリアからなる国。そのどのエリアも、不思議な、そして魅力的な人や物で溢れていて、わくわくしてしまいます(哲学サーカス団、とか、かなでるものたち、とか)。一つ一つのエリアを、お祖父さんになって旅するのもよいのだけど、気付けばどんどん物語は謎を孕んでいくので、ぼやぼやしてると色々見逃してしまう。この人たちの本は、いつだって、小さな事象やお話がリンクしあって壮大なストーリーが完成するんだった。うっかり忘れてたよ。もう一回読まないと、ちょっとわからないかな?というような哲学的な部分もあったりして(わかんなくても楽しいけど)。要再読かな~(次は写真付きの単行本を読もう。)。



身の回りのすべてのものが、巨大な林檎のように謎めいて見えてくる本。言葉も、数字も、雨も、雲も。剥いても剥いても芯にはたどりつけず、でも、いつだって新たな発見があるの。

ここに出て来るような素敵なお菓子やお酒、本当に売ってたらよいのになあ。でも、実は「クラフト・エヴィング商會」なる「お店」は実在して、こっそりこんなもの売ってるのかもしれない、なんて、少しだけ信じていたりして。
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ブログがリニューアルしたのはいいけれど、文字がちまちまして読みにくくなったなあ。投稿の仕方にもまだ慣れない。サイドバーはいい感じ、かも。



予想だにしなかった新刊。筑摩版全集から漏れている、尾崎翠18~24歳までの作品集。



読んでみて、正直やっぱりもうすこし成熟した頃の作品の方がいいな、と思ったのだけど、

これはこれで嬉しい。タイトルにもなってる詩「迷へる魂」や「光と蛾」「夕陽」「過去のうた」などに見られる、

漠然とした寂寥感に「わー、尾崎翠だ~っ」と思う。それにしても、少女期(?)の淋しさと、それ以降の

淋しさには、微妙な手触りの違いがあるものだなあ。この頃のってまだ、自分の涙を手で転がしてうっとりしてる

ような甘さ(好きだけど)があるような気がする。



少女哀詩二編は、ごめん、どうしようこれ・・・という感想しか抱けず。あんまり独創性がないような・・・。

昔裕福だった少女達が不幸な境遇に落ちて、それでも涙を堪えて親孝行というのは、あまりにもお涙頂戴でない?と。

現代の感覚で読んではいけないのかもしれないけど・・・。



個人的にこれが一番!な作品は、「新緑の頃を」という書簡風もの(初出一覧を見るまで、本当に書簡なんだと思ってた・・・)。

さわやかで良い・・・。こういう綺麗な言葉で綴られた手紙を貰ってみたいものだ。夜のガラス商の描写にうっとり。

青白い光と、血のような洋酒の対比。アネモネが欲しくなる(影響されすぎ)。そういえば後の作品より、色彩イメージが強い、全体に。



稲垣眞美の解説はいつもながら思い入れたっぷりで熱いなあ(笑)。でも、この方がいなかったら翠の作品集は世に出なかったかもしれない。

感謝感謝・・・。



ああ、読めてよかった。
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プラネタリー・クラシクス二冊目。これもやっぱり装丁が綺麗。ネイチャー・エッセイというものになるらしい。



著者は、学者さんで、かつ詩人・エッセイスト、という人。読んでみて、なるほどなあ、と納得しました。本当に

色んな顔をした文章が出てくる。叙情的なエッセイだな~、と思って読んでると、気付けば科学と芸術に関する

一考察や教育論(?)になってたり、哲学的な思索に突入したりするので、読みながら少々戸惑うことも。でも、

味付けがどこまでも幻想的で暗い雰囲気なので、ついついはまり込んでしまいます。タイトルにふさわしく、夜窓でも開けて

読むのがぴったり・・・かも。あんまり昼の喧騒とは相容れない本だという気がします。



どれもそれぞれ印象的な話だけど、少年時代を回想した「黄金の車輪」「地の底の世界」、失われた過去の風景をずっと胸に抱いて、ときどきそれを別の場所に

構築しようとする生き物達(著者を含む)を感傷的に描いた「茶色のすずめ蜂」の三つが何といっても良かったです。

前者二つは「銀の匙」の世界を反転したような感じ。ネズミという少年の存在感がすごいのですよ。目に見えるようだ。



「茶色のすずめ蜂」は、あまりにもツボだったのであちこち鉛筆で線を引いてしまう。最後にちょっとだけ抜粋。



「なにがないの?」男の子が聞いた。私は答えなかった。在りもしなかったもの、あるいはとても短い期間しか存在しなかった

ものに私はしっかりと縛りつけられていたのだ。なにか空中に保たれているもの、心の中に維持されるものが必要だった。

なぜならば、それが宇宙のなかでの私の方向を決める要素の一部だったし、それなくしては生き残れなかったからだ。動物が

場所に居つく以上のことだった。それ以上のなにか、時間の流れのなかである一連の出来事に精神を寄り添わせるということだ。

死を知る人間に欠かせぬものだ
。(本書332頁5~10行)





冷たい水が支配する地下や、不眠症の患者達が見守る夜の国への恐れと誘惑を感じる一冊。あと何ともいえぬ郷愁も。


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「動物的・官能的」というイメージだけで山田詠美を嫌ってたのは間違いだったなあ、と思いました。むしろ結構好きかもしれない、この人の小説・・・。



十二色の色に託した短編集。思わず息苦しくなってしまうような肉体のぶつかりがあって、怯まないかと言われればやっぱりひるんでしまうのだけど。

けれど、そういう中から覗くこの人のものすごく残酷な視線というのは、とっても魅力的だと思う。心の奥にできれば閉じ込めておきたいグロテスクな部分を、抉りとって白日の元にさらしてしまうその手法には、容赦と言うものがない。そして、そういうグロテスクさが、最終的には自分を破滅に追い込んでいくことも、この人はきっちり突きつけてくる。「陽ざしの刺青」や「病室の皮」なんて、糾弾されてるような気持ちになってしまった。あう~。





怖いなあ。でも、こういう研ぎ澄まされた賢い人って、嫌いになれない。



でも。僅かながら、希望の光の見えそうな話も収録されていることにちょっとほっとしている。十二編全てが同じ鋭さを持っていたら、読み終えた頃には血まみれだわ。ふ~。
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ああ、江國さんの訳文らしい・・・と、読み始めてすぐ思った。ものすごく女の子っぽくて、ちょっとコケティッシュな文章で。でも、このダルシーのお喋りにはぴったりかも。





一言で言うと、ダルシーという猫と、「彼女の」人間(=作者、かな)の愛情に満ちた物語。彼女たちがお互いを見初めて暮らし始め、ダルシーが十七歳で死んでしまうまでのお話を、ダルシーの語りで描いている。



もうとにかく、作者の猫に対する愛情と、そしてたぶんこのダルシーの作者に対する愛情(途中までは、思い込みじゃないの?と思って疑ってたんだけど、だんだんそうでもない気がしてきた・・・)がいっぱいで、胸がだんだんひりひりしてくる。読み手の入る隙間なんぞどこにあるのさ、という感じ。読んでると、覗き見してるみたいな後ろめたい気持になるのはなぜだろう。

たぶん、帯にもあった通り、あまりにも「ストレートで、濃密な」愛がそこにあるからなんだろうな。



動物に対するこういう愛情って、私には正直言ってわからない。動物を飼ったらわかるのかな?そうでもないかも。あなたがいなくちゃ私は駄目なの、っていうここまで大きな気持ちを、何かに対して抱くことが、この先あるのだろうか?

ちょっと恐ろしささえ感じる愛情だけど、羨ましくもあり・・・なんて。
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以前の「トーキンヘッズ」の感想で「一目ぼれ」したという詩人さんの詩集。

裏表紙は、雑誌にも載っていた写真で、私がとても魅力的だなあ、と思った表情。ふてぶてしさと、繊細さがいっしょくたになった鋭い目が見上げている。



随分前から読んでいたのだけど、なかなか読みとおす精神力が保てなかった。



最初の印象通りものすごく好みだけど、波長が合わないときは文字がさっぱり心まで届かなかった詩集。あまりに元気だと何を言ってるのかよくわからなくて、でも感傷的過ぎるときは何時の間にか詩でなく自分を見てしまう。ほどよく悲しく、ほどよく疲れているときがいちばんしっくりきた。



思いつくまま感想を。



・とっても静かな場所で耳を澄ましていたら、その静けさのなかに実はいっぱい金切り声が隠れていたような感じ。その声を聴きたいような聴きたくないような気持ちで耳を澄まして、読んだ。



・宇宙を包んでしまうくらい色んな物を飲み込んで、色んな物と繋がっている自分、というのと、どこからも弾き飛ばされて、翻弄されている小さな小さな自分、というのが入り乱れている。重くて苦しいか、軽すぎて苦しいか。

・・・この人の詩は、相反する要素が常に同居しているんだなあ。



・どこまで行っても足し算的なもの、ってあるのかもしれないなあ。孤独+孤独=、という式の答は、大抵「二人分の孤独」になるだけなのかもしれない。ならないことだって、あるだろうけど。



・からっぽであるということは、重いんだなと思った。矛盾してるけど。



・人が流す傷や涙から出来た作品はどうしてこうも甘美なんだろう。



・・・きりがなくなってしまう。このくらいでやめようっと。



他に二冊この人の作品集を買ったのだけれど、早くよみたくもあり、手に取るのが怖くもある。
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ハヤカワepi文庫は、良くも悪くも衝撃的な話が多い文庫だなあ、と思う。



ちょっとうっかりそのことを忘れて読み始めたので、思いのほか刺激が強かった一冊。



タイトルを見たときは、古典ぽい話なんだろうか?と思いこんでいたけどそれは全くの誤解。これは、近未来の、ややSFのようなお話。



女性の権利がほとんど奪われ、恋というものの価値がまるで認められない世界。そこでは、放射能汚染や環境破壊によって、「五体満足の」子供の出生率がひどく落ちている。

政府は、再婚の夫婦・及び未婚者の私通をすべて罪だとし、女性の方を捕まえては「侍女」という身分に落とした。エリートの家庭の主人の子供を産むためだけの道具である、「侍女」という身分に。

物語は、こうした侍女の一人である「オブフレッド」の語りで進んでいく。解説読むまで気付かなかったのだけど、他の侍女たちにも使われる「オブ」というのは、「誰々のもの」という意味でくっついているらしい。侍女たちは、本当の名前を取り上げられて、誰かの「もの」になってしまうのだ。



しかも、子供が「五体満足」でなかったとわかるやいなや、その子供は闇へと葬り去られてしまう。何度も「失敗」した「侍女」は、不完全女性の烙印を押され、やはり葬られねばならない、という・・・。





フェミニズム系(なんか語弊のありそうな括り方)の小説を読むたび、なんとも言えない気持ちになってしまう。感想を書こうにも、具体的に自分の感情がことばにならない。しいていうなら、不快感、自分のなかの何かが追い詰められるような気持ち、でも知りたい、知らなくてはならないという気持ち・・・だろうか。そして、どうあがいても自分も女なんだなあ、という痛み。主人公の声にならない叫びに向かって、自分の中のなにかが応えているような気がした。



これも最後の解説にあったけど、本当に「ゲド戦記」(の後期の作品)を思い出させるなあ。名前が重要視されているところ、とか。でも、フェミニズムの観点だけ(あくまで、その観点だけで)で見るなら、こっちの方がしっくりくる書き方だ。貶められているのが女性だけではないから。虐げているはずの男性も、いつのまにか自分を貶めている。両者が互いを地に引き摺り落として、血まみれになって、絶望している。ものすごく虚しい世界だけど、それほど現実から遠い話でもない気がするのは何故だろう。



フェミニズム的な読み方をしなくても十分楽しめる作品ではあるのだけど。いつ殺されてしまうかもしれないという緊張感、同士をみつけた時の喜びや、血縁に対する複雑な感情とか、ひとつひとつの要素をとっても目が離せなかった。この人は児童書も書いているのか。ちょっと、読んでみたいかも。
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ご無沙汰しております。



なんとジャンル分けして良いか迷った作品。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、とあるのでファンタジー?・・・でも、ちょっと推理っぽくもあるような。でもでも、トリックがどうのこうのという話ではないし・・・



ということで、無難に「日本文学」に入れてしまいました。



可愛い妖怪と、お人好しの人間がたくさん出て来るほのぼのしたお話。和みました~(^^)良い時期に読んだものだ。



江戸時代。廻船問屋の若だんな一太郎は、賢くて優しいのだけど、とてつもなく病弱な若者。両親も、なぜか側に付き従ってる手代(妖怪)も、彼を心配し通しで、甘やかすことこの上ない(本人は、ちょっと困ってるのだけど)。そんな若だんなが、うっかり奇妙な殺人事件を見てしまって・・・

というお話。

ちょっと、漫画「百鬼夜行抄」に似た雰囲気があるけど、あれよりももっとこう、妖怪がお人好し。みんなお菓子が好き、というのもツボ。挿絵の絵で想像すると、とっても可愛い。小鬼のような鳴家とか(頭をなでてもらうのが好きらしい・・・)、碁打ちの相手をしてくれるけどちょっと生意気な屏風覗きとか。もちろん、手代の仁吉と佐助のキャラクターもいい。

一方で、一太郎や幼馴染の子たち人間の悩みや焦りを書いた部分などは哀感があって、なんともいえず良い話。



続編購入、決定です。早く文庫にならないかな。
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