つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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名探偵御手洗潔をめぐる、短編集。



満足満足。冒頭の「IgE」があまり面白いとは思えなくてがっかりしてたんだけど、残りの作品で帳消しになりました。



推理ものとしては、「ボストン幽霊絵画事件」が面白かったんじゃないかな、と。ちょっとポーの「黒猫」を思い出させる作品でした。少しでも自分の推理が当たると、うれしいもんですね。「当たる」というか、謎が明らかになる直前で「あ、そういうことか」とひらめくってことだけど(それはひらめくとは言わない・・・のか)。しかし御手洗さんってば、何者なんでしょう。ここまで人間ばなれしてるとちょっと共感しかねる部分もあります(汗)。



けど、そんな御手洗潔も一人じゃ駄目なのね、とやっぱり相棒くんが必要なのね、っていう短編が「SIVAD SELIM」と「さらば遠い輝き」。この二編は推理じゃなく、御手洗さんと石岡くんのサイドストーリーみたいなお話でした。どちらも「がまくんとかえるくん」シリーズを思い出す(え?)仲良しぶり。前者はすっごくほのぼのした余韻のあるお話で、御手洗さんに対する好感度がいっきに上昇(笑)。粋な計らいをするんですよ~、この人。石岡君の良さもたっぷり詰まったお話だし、大好きです。講演会で緊張し、しどろもどろになって皆の笑いをとってしまったり、高校生の男の子の志に感動して泣きそうになってたり、いちいち可愛い人ですね、この人は・・・(笑)





「さらば遠い輝き」のほうは・・・えっと、ボーイズラ・・・いえ何でもないです(笑)個人的にはいいお話だと思いました。いつもは大嫌いなレオナに、ちょっとだけ同情しましたけど。入る余地、ないもんね・・・(汗)うーんこのお話、女の子が書きそうな話だなあ(察してください)、純粋な推理作を期待する人には噴飯もの?と思ったのですが、それもそのはず。この作品は同人アンソロジー用に作者が書き下ろしたものだったのですね!!!!というか、島田さんそれでいいの?・・・いいんですか??二次創作に対しても色んなスタンスのひとがいるんだなあ、と思って、ちょっと驚きました。
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 久々の更新は雑誌です。「活字倶楽部」、今回の表紙はとても私好みの絵でした。硬質な表情の少女がこっちをぼんやり見ていて、背景には赤い月、お城、飛行船。烏が本を読んでいます。お話がいっぱい詰まっていそうな絵。



何と行ってもこの号で注目すべきは、酒井駒子さん。買ってから特集に気付いて大喜びです。○ィレッジで「金曜日の砂糖ちゃん」を見てから一目ぼれ。愛くるしいけど静謐で、とっても儚げな子供たち。本の中から出てきたら、あっという間に溶けてなくなりそうな子供たち。この方の絵本、まだ一冊も手元にはないのですが、いつかは!いつかは全部揃えるんだ。ふふふふふ。たった二頁の特集だけど、インタビューも載ってて大満足。これだけでもうお腹一杯。



そして、巻頭特集は「ミステリー、好きですか?」。私は熱心なミステリー読者ではありませんが(特に和製のミステリはあまり知らないのです)、わずかに読んだことがある島田荘司さんのインタビュー、既刊紹介には「おっ」と反応。「異邦の騎士」「御手洗潔の挨拶」はなかなか面白かったのよね・・・。石岡さん、好き。特集を見て、御手洗シリーズがこんなに出てることにびっくりしました(それ以外の作品も合わせると、さらに膨大な量・・・)。久々にこの人の本が読んでみたくなって、早速「御手洗潔のメロディ」「龍臥亭事件」を借りてみる。面白いといいなあ。



それにしても、不細工で冴えない主人公が出て来るミステリーって少ないんでしょうか・・・。そんなに万能で、見目麗しくなくても私は全然構わないんだけど・・・美しくないと読んでて嫌なものかしら。ちょっと不思議。





その他のページで気になったのは・・・畠中恵さんという方の本。「しゃばけ」シリーズって何?き、気になる・・・!優しそうな若旦那と、可愛くて味のある妖怪の出て来る、推理?もの・・・らしい。イラストが!か・・・かわいい・・・!子鬼にまとわりつかれながらお茶を飲む若旦那の絵が、私を捕らえて離しません。ううどうしよう・・・買っちゃいたい・・・(新潮文庫になってるし)!!!



次号は長野まゆみ特集か。しかも巻頭特集は「人気イラストレーター」・・・買ってしまうんだろうな・・・(汗)
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どうやら母親がこの方の本、好きらしく。いつのまにかいっぱい本棚に並んでいたので、試しに読んでみる。



ふむふむ。



私は基本的に、「読書は自己研鑚のためにやるものだ」などと言われたら、たいていその人にいい印象は持たないのです。この本はまさにそういう感じだったので、ちょっと抵抗がありました。読み始めてすぐに、児童文学は離乳食であるとか、エンターテイメントや推理小説が乳歯レベルの読み物であるとかいう記述が出てきたときにも(や、別にだからと言ってそれらを軽んじていたわけではないのだけど)、さらに抵抗感がアップして、あやうく読み止めてしまいそうになってしまった。でも、何とかそこを踏みとどまって読む。

踏みとどまって正解。んー、悔しいけど、すごく説得力のある本。そして、筆者の活字離れに対する不安や、教育への情熱には心打たれるものがありました。やや理想が高すぎはしない?とか、読書の良い面ばかり強調しすぎてるきらいはあるものの、この人の読書哲学には、大半うんうんと頷かされます。読書文化衰退の様子を黙って見ているのではなく、自分なりの理想を立て、それを実践しているところがこの人の凄いところだなあ、というのが読み終わっての感慨でした。



読書力の目安、文庫系百冊(四年くらいがのぞましいとか)、新書系五十冊か・・・。新書は絶対的に足りてないなあ、と読書ノートを見返して恥じいる。要約や、脳のギアチェンジ(本によって読むスピードを変えられること)が出来ないのってそのせいなのかも。初めから終わりまで漏らさず読むことが大事なのではなく、何が主題として書いてあるかを掴むことこそが重要なのね。そういう読み方に、もう少し新書を読むことで慣れてみたいな、と奮起した一冊でした。



たまにはこういうのもいいなあ。
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フランスのガリマール社、というところと提携して出されてる、世界文化史シリーズの一冊。



まず図版の多さに感動。ほとんどどのページにも写真や絵が入ってて、見飽きませんでした(ちょっと本文が読みにくいレイアウトだな、とは思いましたが)。コンキスタドールによる征服の模様、宗教的な儀式に使われた像の写真、遺跡や織物など、教科書では見ないようなものがいっぱい。後ろのほうには、当時の文献資料なんかも入ってて、楽しくお勉強してるような気分になれました。教科書の断片的な知識が、血の通ったドラマになる体験は、なんともわくわくします。

こういう本の、絵の不気味さやうさんくさい雰囲気(失礼)っていいよね・・・。暗い書庫とかに、シリーズ全てをずらっと並べたら圧巻だろうなあ。一日中床に座って眺めていそう。



しかし・・・世界史系の本を読むと、いつもうっかりキリスト教を大嫌いになってしまいそうになります。宗教自体が悪なのではなく、関わり方、結びつき方に問題があるのだろう、とは思うのですが、神の名のもとに徹底的に自己本位な侵略を行ったり、殺戮を繰り広げておいて、勝手な理論で自分を正当化する当時のヨーロッパ人には、どうにも不快感を禁じえない。「あなたがたの仲間を殺したのは、主があなたたちの高慢の鼻をくじくためにそれをお許しになられたからなのだ」って・・・何それ。高慢なのはあんたたちだ。土地の信仰にもおっそろしく不寛容だし・・・(まあ、キリスト教に限ったことではないですが)。盲信こそが正しい信仰のあり方なんだろうか。そういうわけじゃないよなあ・・・ごちゃごちゃ考えた末、いつもの「あーもう!宗教はわからん!」という結論に落ち着く情けなさよ。

しかし、自分を省みて何の疑いもためらいも抱かない人間は、怖い。その無邪気さは、何より凶暴な力になるのだから。



全部読み終わって、ずれたカバーの下に何か写真らしきものがあったので「おっ、こんなところにも図版?」とはずしてみたら・・・

一面の頭蓋骨の山でした.う、うわ・・・。
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再読。泉鏡花、明治期の作家の中でもっとも愛してやまない人です(そもそもこの時代の作家さんあまり知らない・・・)。



収録作は、表題作、「山吹」「多神教」の三作。いずれも戯曲です。



谷崎潤一郎を彷彿とさせる「山吹」、媛神のりりしさにうっとりしてしまう「多神教」も良いですが、やっぱり「海神別荘」が一番のお気に入り。公子さま(海の王様、というか王子様)のお嫁取りの話なのですが、とにかく美しいの一語に尽きます。情景描写然り、公子様や生贄の(?)美女等然り。妖しい美しさに頭がくらくらしてきます。邪悪な鮫、醜い人間の魂がふらふらとさまようのさえ、御殿の光に照らされて美しい夢の一部です。



ストーリーに加え、文体そのものの魅力も大きい!鏡花を読むときは自然とスピードが遅くなるのです。言葉の一つ一つが喚起するイメージだけでなく、文章のリズム、テンポの良さも楽しみたいから。この点だけは、現代作家さんは敵わないんじゃないかな、と思うのは贔屓目が過ぎるかな。



それにしても、鏡花の徹底した美至上主義、好きですわ…。反道徳的なんじゃなく、無道徳。それがどこまでも貫かれてて、純真ささえ感じられます。特に公子さまの台詞はこの主義の結晶で、思わずどきどきしてしまいました。か、かっこええ…



久しぶりに岩波文庫の鏡花作品を全部読み返したくなりました。





・・・ところで、最近ブログの調子がおかしい気がします。マイブログリストに入れている方の更新表示がものすごく遅れてる。更新してないのかな?と思ったらたいてい二つ三つ更新されてたりするのです。なんだろう、ブログと日記の統合工事の関係なのかな~。



しかも、昨日からはブログページの下からマイプロフィールページへ飛べなくなってしまったし。何だよー、ヤプログって・・・。
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あ゛~~~~~。「やった~倉橋由美子の未読作品だ!もう手に入らないのが多いのよね、ラッキー」と飛びついた私が悪かったよ。せめて、後ろの表紙の内容紹介文を見て買えば良かった・・・。というか、読む前に「げ?」と思った段階で、読まずにおけばよかったのよ・・・(涙)



えーとえーと、内容はですね。ずばり「夫婦交換遊戯」と「近親相姦疑惑」の話・・・です。



・・・何も、何も言わないで下さい・・・(涙)



そりゃ私だって別に、性描写があるから汚らわしくて読めませんっていうほど潔癖な人間じゃないさ・・・。それに、この本の描写がとくにえげつなすぎるということはないし、寧ろソフトだと思う(でも、一箇所だけ、あまりに通俗的な表現で、がっくりきたけど)。でも、何故だかとっても読後感が悪い。何だろう何だろう。



・・・しばし考えてみた結果。この作品って、神々(のような人々)の遊戯(?)という形で、さも「下劣なエロティシズムとは違うのよ」といわんばかりのエロスの提供がなされてる(と感じるかどうかは、人によるのかもしれないんだけど)。それがかえって、露骨な性描写以上に醜悪な印象を呼び起こすんだと思う。不自然なほどに上品な言葉でなされる会話が却っていやらしいのです。表面は新鮮なのに、掴んでみたらぐちゃぐちゃにつぶれた果物を持たされてしまって、「この手どうしよう・・・」と途方に暮れてるような気分になりました。



初期のころの、顔を持たないキャラクターによって展開される(イニシャルというか、記号的なアルファベットでしか人物が表現されないの)作品にも共通する、階級意識ばりばりの性格なんかは大好きなんだけどなあ、主人公・・・。この人を含め、出て来る女性についてあまりに女の業みたいなのが強調されてて、だんだん気が滅入ってくる。典型的過ぎるよう。



続編もあるのか。うーん・・・このシリーズはもういいかな・・・。それにしても、実験的なことするのが好きな作家さんだなあ。
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フォックスウッドの村は、動物たちが仲良く暮らす村。そこに住んでいる、ハリネズミとウサギ、ハツカネズミの子供たちは、仲良し三人組です。ボール遊びをしていたら、アナグマのオコリンボさん(これで、どういう性格のアナグマか想像はつきますね)のお店の窓を割ってしまう。その晩お店に泥棒が!責任を感じた三匹は、犯人探しにでかけ・・・



というお話。



ええもう、とにかく絵がかわいい。そして木の形とか、部屋の様子にいかにも外国の絵本だなあ・・・と思いました。好きだ~。

適度に人間ぽくなった動物達は、みんなぬいぐるみのようです・・・。・特にウサギのルーが、ハリネズミのウィリーの足を手当てしてるシーンなんてもう、メロメロです。小さい子が、お母さんに読んでもらうと安心する絵本なんじゃないかなあ。絵本の中にも、お母さんとこどものほのぼのしたやりとりが一杯出て来るし。



ヨーロッパでは、アナグマという動物、馴染み深い動物なんでしょうかね。この絵本以外にも、ちょくちょく見かける(イタチが悪役っていうのも多いですね。顔は可愛いんだけどな・・・)。ちょっと気難しいキャラクターになってたり、わりとお年を召してたりすることが多いみたいだけど、実際、おじさんくさい顔してるのかな?アナグマ。ちょっと見てみたいな。
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あまりにご大層な文庫名と出版社名にやや気圧されてしまいましたが、中身は普通に面白かったです。



タイトル通り、ケルトの民話を集めたもの。えーっとこれは、アイルランドのほうのお話が多いのかな?こないだここで取り上げた、フィオナ・マクロウドのスコットランドのケルトとは随分趣が違う。あれを読んでいた私は、ケルトというのは神秘的で、どこか陰鬱な暗さがあって、でも繊細で美しい話が多いんだな~というイメージを抱いていたのですが・・・。こっちは何と言うか、ご、豪快?やたら怪力の英雄が出てきて、そんな馬鹿な!とのけぞってしまうような荒業をやってのけたり、ものすごく間抜けな死に方をしたりするので、慣れるまで「・・・なんじゃこりゃ」と首を傾げておりました。悲しい話もあるんだけど、内ヘ内へと向かう悲しさじゃなくて、わーっと泣いて発散してしまう種類の悲しさなんです・・・。



最も多くのお話に登場するのは、英雄フィン。んーーー、この人、英雄なの(笑)?若い頃の冒険「フィン、巨人国に行く」こそ立派な英雄らしかったけど、その次のお話では、奥さんの機転がないとライバルに勝てなくて、恐怖に震えるようなキャラクターになってるし(挿絵が泣けます。大の大男が、赤ちゃんの格好して寝てるの・・・)ラストの「ダーマットとグラーニアの運命」に至っては、孫娘のような女性をお嫁にしようとして逃げられ(当たり前)、彼女を奪った男を執拗に追っかけて殺してしまうというおじいちゃんだし。しょうがないお爺さんだなあ、息子にも孫にも愛想つかされてるの。もう、どっからどう見ても悪役だよ、あなた・・・。や、人間臭くてそこが魅力と言えば魅力なんですが、ケルトのイメージ根こそぎひっくり返りましたよ(笑)



興味深かったのは、「かたりべ達の競演」というグループの二話。何が面白いって、お話の構造が変わってるのです。冒頭から始まるお話も、それなりに波乱万丈そうで、これからきっと大変な冒険が始まるんだろうな、と思っていたら、それが途中でぱっと切れて、旅の途中でその登場人物たちが語るお話がメインになっていくのです。お話の中にお話が一つ、ないし複数入っているの。で、外枠の話はどうなるのかな、と思っていたら、ラスト数頁であっさりと片付いてしまう。ええっ、そんな簡単に終わっていいのか!?・・・肩透かし。ずいぶん歪な入れ子構造に、逆に面白さがあるのです。





この出版社さんからは、幻想文学とか民話とかに「おおっ」と思うのが色々出てるのですね。探してみようかな。でも、でも・・、もう少し訳は考えて欲しいかも。あまりにも味気ない訳で、ちょっと読み辛かったりして・・・。
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再びカリジェの絵本。お話もカリジェ自身の手によるもの。



スイスの山奥の村にある、一軒の小さな家。この家の側には、白樺の木と、古いナシの木と、メギのしげみがありました。メギは小さな花を咲かせる、とげだらけの低い木。白樺やナシの木に比べると見劣りしてしまうけど、この木、本当に役に立たない木なのかな・・・・?



というお話。メギって初めて聞く名前です。カリジェの絵で、ほほう、こんな感じの木なのか・・・と認識(梨の木がものすごい大木になるというのも、この本の絵で初めて知りました。三階建ての家を優に追い越している・・・)。

「フルリーナと山の鳥」に比べると、お話も、絵も、やや地味かな~。でも相変わらず、カリジェの絵は楽しい。あまり知りもしないのに技術的なことを言うのは野暮。でもちょっとだけ言ってみる。この人の絵、非常に音楽的だと思うのです。一定のリズムがあるというか、色んな物が、上手に配置されてるの(色も線もいっぱい使ってて、すごく賑やかな画面なのにね。)。葉っぱの散り方とか、木の傾きとかまでが、計算してるのかな?と思うくらい調和が取れてる。



そして、「フルリーナ~」でもそうだったけど、この人の描く家族像は何てほのぼのしてるんでしょう。最後のページで、横一列に並んだ親子がみんなで鳥を見送ってるところなんか、ほんとにいいなあ。髭のお父さんは、船長さんみたいにパイプをふかしてて、子供たちはいかにも楽しそうに手を振ってて。あ、女の子とお母さんの服はお揃いになってるんだ。こういう細かいところの工夫、大好きです。
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再々・・・々読?くらいかな。

何度も「もうこの人のは読むまい」と思うにもかかわらず、結局、私は嶽本野ばらがまだ好きなんだろうなあ。特にこの本は、時々無性に読み返したくなる。





初めて読んだとき、この人の美意識がものすごく排他的で、かつ狭量なところに、ものすごくときめいてしまったのだ。厳選された「好きな物」で武装して、周りの全てをシャットダウンしてしまう。そういう世界が、そのころの私の理想だったから。

それに、この人独特の過剰装飾文体で紹介されている、場所、人、物・・・は、魔法でもかかってるみたいに素敵に思えたし。どうしてこの人は、こんなに趣味がいいんだろう、って、その時はひたすら心酔してしまっていた。京都のカフェとか、香水とか。中井英夫や澁澤龍彦など、現在好きな作家の何人かとの出会いも、この本からだったな~。本当に、バイブルだったのだ。



・・・だから、近作や雑誌のインタビュー、写真記事(どうも、何を目指してるのかわからないんです、ごめんなさい)を見てると、この人、ほんとにどんどん趣味嗜好が広がってくなあ、これじゃただのミーハーな人だよ!変わっちゃったなあ・・だなんてちょっとがっかりしてた(押し付けがましい心理だなあ)んだけど、今回「それいぬ」を読み返してみて、別にこの人、どっこも変わってないや、前からこういう人だったんだ、と思い直しました。この人は、その気になればどんなものだって、自分の世界を構成するものに変えることができるんだな・・・。自分にとって好ましい要素を見つけることさえ出来れば、幅広く許容出来るんだわ。そうか、なんだ。



でも、そういうの、ちょっと羨ましい。どんなに色んなものを受け入れたとしても、この人の王国は絶対姿を変えることがないんだから。ここまで来ると、才能だよ・・・変わることを恐れて、どんなに周りに目を瞑っても、内側からあっけなく変わっていく人はいっぱいいるのに。



羨ましさ半分、でも、変わっていくのも悪くはないのかも、という気持半分。どちらにせよ、文句をいいながら、これからも「それいぬ」を何度も読み返し、嶽本野ばらの新作が出たと聞けば、買いに行く私がいるんだろうな~。ああ。



どうも、いつにもましてまとまりのない文章・・・。
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二組のカップルのトラブルがお話の始まり。ライサンダーとハーミアのカップルは相思相愛だった。だけど、もう一方のカップルの、ディミトーリアスが、自分の彼女ヘレナを捨てハーミアを追っかけまわしたから事態がややこしくなる。そこにもってきて、妖精王のおせっかい、いたずらものの妖精の勘違いが絡んで「好き」と「嫌い」が入れ替わったりして、さらに事態はごちゃごちゃに・・・!というお話(せ、説明が大雑把)。



これまで読んだシェイクスピア作品では、一番好みかな~と思う。といっても、本筋である恋愛騒動はどうでもよかったりして(笑)ロマンチックな話は柄じゃないわ。や~、口説き文句がいちいち凄いので、そういう意味では可笑しいのですが。砂を吐く、歯が浮くといった形容は、きっとこういう表現のためにあるのでしょう・・・。

でも、こういう格調高い訳文だからこそ、よい雰囲気が出るんだよね、多分。白水社版の訳より硬くて好きだなぁ。



で、どこが好きだなあと思ったかといえば、妖精たちのやりとりのシーン。特に、妖精の女王さまが眠るとき、妖精たちが踊りながら子守唄を歌う場面が大層美しいのです。詩がまた・・・(^^)。攫ってきた美しい子供をほっちのお小姓にするかで夫婦喧嘩する妖精王夫婦、という設定も好み・・・。妖精はやっぱり、綺麗なもの好きであって欲しいの、うん。解説に、この作品によって、妖精の不気味なイメージが変わっていったというようなことが書いてあるのですが、さもありなん。パック(いたずら大好き妖精)とか、とってもかわいいしね。



劇中劇の場面、それから寛容な殿様シーシアスが作品に与えてる効果も面白い。いいお殿様だよなあ、おおらかで、民に優しくて。





本編のほかに、解説、評論集、上演史、そして舞台写真(1957・1958に上演されたもの)も載っているので、興味のある人にとってはたぶん充実した本です。解説は、イギリスの文化のことがちょっとわかって、得した気分。

(批評集、上演史は、私にはピンとこなかったのです・・・)最後の写真ですが・・・え、え~っと・・・





パックは子供に演じてもらいたかったかも(汗)ごつい!イメージが崩れました、がーん。
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再読。四部作のうち、「月の輪船」「夜のプロキオン」の二作。



長野作品の中でもお気に入りの部類に属するシリーズ。頭の回転が速くて、ちょっと短気な(そして顔立ちの整った)宵里と、温厚で人がいいアビ、この二人の少年を巡るお話。は、鳩山郁子の挿絵が・・・絵が!!!繊細な線で描かれた華奢な少年たちの絵にもときめきますが(・・・うわ)、建物や小物の絵が外国のポストカードみたいで、とても贅沢な気持ちになるのです。



そしてお話のほうも、何て言うか、きらきらしてて素敵。長野作品ファンにはおなじみの、ソプラノの歌声、ソォダ水(ソーダ水、ではない。)鉱石のようなドーナッツ、野外映画、などなどなど、この世界の少年になって経験してみたくなってしまうような仕掛けがいっぱいです。この頃の長野作品は、一切俗悪さのない遊園地みたいなものだったなあ、としみじみ(そうか?陳腐じゃん、という言葉も聞こえてきそうですが)。歩き回るだけで楽しい遊園地。だんだん、こういうひたすらに透明なお話を描く事が少なくなってしまった長野まゆみ。今の作品が良くない、とは思わないけれど(や、彼等シリーズとかはちょっと苦しくて読みやめてしまったのですが・・・好きな方すみません)、過去の作品を読むたび、懐かしさと寂しさで胸がちくちくします。恋愛をしない、そして、クールに「友情」してる少年ものが好きだったんだ。
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例によってタイトルと装丁に惹かれて買った(古本で、適度に古びて汚れていたのもまた良し)のですが、大当たり。期待以上でした。

 

いろんな星の住人たちの繰り広げる、なんとも間の抜けた、しかし楽しいファンタジー群。いやあ、出て来る宇宙生物たちの姿がもの凄くユニーク。草の蔓のような姿の個体が一つの木を形成しているものあり、鋸のような舌が何枚もついているものあり、頭に傘があって、そこから雲の成分を吸収するものあり。(しかもこの頭、よく胴体から引っこ抜けるらしい。)これだけ聞くとちょっとグロテスクな印象だけど、読んでみると彼らの可愛さににへら~っと顔が緩みます(え、そうでもない?)。不器用な体を持て余しつつ、(私には)さっぱりわからない宇宙哲学だの、とんちんかんな新しい芸術についてだの、はたから見ると笑っちゃうようなことをあくまで真剣に考えるひとびと(?)。だ、大好きだ…仲間同士の会話ものんびりしたもので、ほのぼのとした空気さえ漂ってます。



その他、望遠鏡、生きている星、天体観測など、好きな人はほんとに好きな要素がいっぱいつまった本。少しテイストは違うけど、稲垣足穂が好きな人ならこれも!と薦めたくなりました。



そうそう、背表紙の、制服姿の少年のマークも「買い」ですっ。←力説





この本、プラネタリー・クラシクスという幻想文学系シリーズに入っていたのですが、他の作品もタイトルからして魅力的。ただ、1980年代刊行っていうのが痛い(もう本屋さんでもあんまり置いてないみたい)…古本屋さんで地道に探そうかなあ。あ、シェーアバルトの他作品も探したい。この人、有名な作家なんだろうか…?
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