つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。
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作者高校生の頃の作を中心とした、自選句集。タイトルにノックアウトされたのは、言うまでもありません。

寺山修司って、こんな素敵な作品つくる人だったのですか。本当にびっくりした。これまで読んだこの人の本って言うと(「青女論」とか、「両手いっぱいの言葉」とか)、なんだかやたら賢そうな警句を飛ばす人だなあ、ちょっと鼻につく・・・という印象のばっかりだったので(お好きな方すみません)、ほとんど別人のような気がします。す・・・好きになったかもしれない・・・(馬鹿)



巻末の解説にある「みずみずしさ」という言葉で、すでに感想をいい尽くされた感じです(笑)どんな少年だったのかわからないけど、ものすごくナイーブで、かつ少年の自分というものに酔ってるところがあるなあ、と思った。青春謳歌、って、こういうののことを言うんでしょうか?そしてそれが何だか羨ましいような気がする。もう絶対戻れないところにある感覚、それ以前に、少年じゃなかったから持ち得ない感覚だったかもしれない。は~、いいなあぁ・・・



時々、とてつもなくエロティシズムに溢れた句が出て来るんだけど、何ていうか・・・垢じみてないから全く不快感を感じなかった。寧ろ「あ、こういう世界好き~」という感想。しかし・・・俳句と言う、ごく短い形式で世界を自分の王国にしてしまえる才能、妬ましすぎます。



次は詩集にチャレンジしてみようかなあ。ざっとハルキ文庫既刊をみただけでも、思わず買ってしまいそうなものがいっぱい。「われに五月を」とか、「田園に死す」・・・とか。うっとり・・・(ほんとにお馬鹿。)
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またまた、クラフト・エヴィング商會の本。これは、クラフト・エヴィング商會三代目夫婦(夫婦だったんですね。兄弟かと思ってた・・・何となく)の娘で、高校二年生の「音ちゃん」が書いた・・・ということになっているお話。そもそも、この音ちゃんが実在するのがどうかっていうとこから、とっても怪しい(笑)この人たち特有の楽しい騙しなのではないかと言う気がします。



この音ちゃんと、円田さんという小説書きと、そこで買われてる猫シンク(Think)を軸に、様々な短いお話が展開します。はじめは、「ん?さっきまでの話はどこへいったの?」と戸惑うのですが、これがちゃ~んと、リンクしてくるのです。それがまた次の話の伏線になってて・・・という構成がとても楽しい。途中で何度も、「ああ!(ぽん!と手を叩く)」と声をあげながら読み進める。最後のほうは、どこがこれまでの話と繋がるのか、早く見破ってやろうという意欲に燃えてました。



あ~、毎回言ってるけど、ここまで好みのものばっかり集めた本っていうの、いいなあ。ラジオに、アリスに、黒猫に。素敵な屋上やレコードや、おいしいお菓子に、やさしくて、ちょっと子供っぽいおじさんとの心地良い会話。憧れる・・・。適度に他愛無くて、のんびりした気持ちになります。写真の雰囲気も、この小説のために作られた(多分)タバコのパッケージの絵も、洒落ている。いいものめっけ、という気分です。この前作も買わなくちゃ!
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ヒノキちゃんの
紹介を受けて読んだ家族ミステリ。

兄弟姉妹というのは、どういう存在なんだろう。どういう目でお互いを見てるんだろう?私は一人っ子なので、友達が兄弟の話をするたびに、そんな不思議な気分になったものです。

兄弟がいなくて、淋しかったということは全くないけど、もし、私に兄弟や姉妹がいたら、親との関係と言うのもまた違ったものになったのだろうか。親に向かう感情が、横の血の繋がりに分けられちゃうのかな?それとも、それぞれまた全く違う感情が向けられるんだろうか。ううむ。

本作を読んで、ああ、こういう感情を抱くもんなのか~、としみじみ。一人でしっかりやっていかなきゃ、と思いつつ、姉や兄を慕う妹の気持ちは何となく理解できる。けど、このお兄ちゃんの気持ちは、はっきりいって「ん~?」というところが多かった(想像力の問題だろうか)。ずっと母を独占してきた妹を疎ましく、重苦しく思う気持ちとか、いっそのこと自分に反発してくれて、思いきり対立できたらと思う気持ちとか・・・。二十五歳で、男の子だったら、こんなに子供っぽく屈折した気持ちはもう解消されてておかしくないのでは・・・?しっかりしてくれ!と思わないでもないです。ひたすらお兄ちゃんを慕ってて、冷たい態度に傷つく麻里ちゃんが可哀想だ・・・(涙)有作じゃなくてもぶん殴りたくなるってものでせう。

それだけに、ラストでこのお兄ちゃんが、自分の葛藤を乗り越えるところにはほっとしてしまう。随分遅いと思うけど、彼も麻里子とは違う意味で、大人になったのね。

家族のお話、というのは普段余り読まないんだけど、たまに読むと色んなことを考えられて面白い。
でもやっぱり、兄弟って不思議。
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「春さん蛸のぶつ切りをくれえ」・・・という、絶妙な(どこが、と聞かれると困ります)帯に惹かれて購入した本。大当たり。



食べ物を美味しそうにかく作家さんって、とても好きです。昔読んだ本で、他は忘れていても、そこに出てきた食べ物だけ鮮明に残っている時がある。この本は、その「食べ物」に関する作品ばかり集めたアンソロジー。



森茉莉やブリア・サヴァランの食への拘り溢れた文章には、こういう生活してみたい、という憧れを擽られます。精神の豊かさというか、余裕というか。まさに精神的貴族と言うやつだな~。前者のビスケットの話は、森茉莉とビスケットを大好きにさせたエッセイだったので、収録されててとても嬉しい。マリーというビスケットを食べると、必ずこの文章を思い出してしまう。



幸田文・武田百合子・プルーストの、「思い出呼び覚まし装置」としての食べ物というのもいいな(それにしてもこの本、好きな作家がいっぱいだあ)。紅茶に浸したマドレーヌってどんな味なんだろう。マドレーヌ嫌いなはずなのに、無性に食べたくなってきました。手元にないので、せめて紅茶を入れて、我慢我慢。



けれど、一番面白く読んだのは、吉田健一の「饗宴」。「病気になって、飲まず食わずを強いられたとき、美味しいものを食べに行くことを想像する」ことを延々想像する話(笑)もはやどんな料理なんだ、わからん、と言う料理まで出て来るんだけど、そのチョイスといい、順番と言い、お腹が空くんです~!!!そして、とらぬ狸・・・じゃないけど、こんな想像をして楽しそうな作者にも笑ってしまう。



お腹鳴りっぱなし・・・はやく晩御飯が食べたい。できれば、食後胃に食べたものがしっかり残ってる時より、ちょっとこなれた頃に読むのがいいかな~、と思った。ここに挙げなかった作品も、どれもこれも違う「味」で、楽しめます。



あああ、お腹が空いたよ。
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白兎さんから貸して貰った漫画の一部。一巻は買ってたのですが、なにぶんちと値段が高めで・・・(笑)装丁も凝り過ぎってくらい凝ってるよね・・・。



面白かったです。この作者さん(たち)の作品の中では、バビロンに次いでお気に入りかも。絵はこれが一番好きかな~、何せトーンをほとんど全く使わないで、こんな綺麗な画面構成が出来るんだもの。煙とか、着物のデザインとか、真似したい要素がいっぱい。



ストーリーのほうもなかなか。相変わらず、ちょっと笑ってしまうような大仰な台詞がいっぱいですが、こういう摩訶不思議な話って嫌いじゃないです。願わくば、他の作品とリンクしてなくても・・・。そういうマニアックなのって、自分たちの楽しみなのではって思ってしまう。だから、きつねのおでん(ラブリー)の話みたいに、独立してる話のほうが面白く読めました。



個人的に、百目鬼君がすごく・・・すごくいいなあ、と。性格といい、あの目つきの悪さ(弱い)といい、あああ、ツボ・・・(帰って来い)。結構人がいいのですよね、あの人。普通に妖怪みたいなのとお酒酌み交わしてたし(笑)・・この作品には苦手なキャラっていなかったけども。このままダーク路線に行かないで、続いて欲しい。主人公含めみんな不幸になる、という展開は、ほんとに勘弁してください!!

それにしても、この漫画、難しい名前の勉強になりますね・・・四月一日(ワタヌキ)だの、九軒(クノギ)だの・・・(^^;)



貸してくれてありがとう!もう一つの漫画も、今読みかけだけどとてもおかしいです(笑)いいな、ああいいうの・・・
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野尻抱影著、中公文庫。



いつ見てもこの方の名前、良いですねえ。うっとりしてしまう…



星を巡るエッセイ、三月~五月編。星を見ても何座かさっぱり分からないワタシには、正直ちんぷんかんぷんな箇所も多いけど、随所にちりばめられた挿話が楽しい。日本の古典や地方の昔話、果てはギリシャ神話や漢詩まで、あっちこっちにお話は飛びます。造詣の深い人だなあ…。でも、一番好きなのは星を巡る個人的な思い出話。とても優しい著者像が思い浮かぶ。

読む度、一時的に「天体望遠鏡欲しい、プラネタリウム行きたい!」願望が芽生えるのです(単純)。
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ポーの短編集。収録作は、「アッシャー家の崩壊」「黒猫」「早過ぎた埋葬」「大うずまき」・・・など。「黒猫」や「早過ぎた埋葬」のような、あからさまにグロテスクな作品も相当怖いけど、持続力のある恐ろしさというと、話の展開がなんとなく不可解な「アッシャー家の崩壊」や「ウィリアム・ウィルスン」のほうに軍配があがるかな。どうしてそういう狂気に陥っちゃうんだろう、というつかみどころのなさが、かえってずっともやもやとしたものを残すのです。「黒猫」などにもそういうところ、あるんだけど、グロテスク描写に対して「ぎゃ~!気持ち悪い~~~!!!」・・・と発散しちゃうと、かえって後はけろりとしてしまう。



中の絵も妙にリアルで怖い。特に目が!生きてる人の目も死体の目も、どれもこれもどろんとしてて、とっても気持ち悪いのです。作品と相俟って怖さ倍増。



・・・惜しむらくは、これが「児童文庫」であること(笑)文章は普通の文庫版と対して変わらない(というか、小さい子には難し言いまわしもあるような気がする)のに、漢字が極端に少ないのです・・・。不気味な館の描写を読んでるとき、「天井」が「天じょう」とか書いてあると、なんだかへなへなとなってしまうのは、きっと私だけではないと思う・・・。(それも、錯乱とか難しい漢字はそのままなのに、やけに簡単な字のほうが平仮名標記になってるのは何故?)
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表題作が目当てで読み始めたのですが、途中で、あ、これもこの人の作品かあ、とびっくりすること数回。叙情的な作品、ちょっとお涙頂戴的なお話(もうすこし言いようはないのか)のほかに、人間の本質をものすごく厳しい目で見据えてる作品を見つけて、意外な感じがしました。

「鳥山鳥右ェ門」の、救いのなさ。自分を糾弾する良心の声に、死ぬまで追いかけられることを予感させる、陰鬱なラスト。「屁」の冷笑的な結び。子供のとき読んだら、何とも嫌な気分になっていたかもなあ、と思う(でも、しっかり記憶には残るだろうな・・・)



こういう作品もそれはそれでいいかな、という気はするけど、やっぱり何度も読み返すのは、「おじいさんのランプ」や「ごんぎつね」などの、多少感傷的なお話の方。商売をやめるとき、商売道具のランプを全部木につるして、ともしたランプを石で叩き割っていくシーンが子供心に強烈な印象を残してる。悲しいの半分、イメージの美しさにうっとりするの半分。「てぶくろを買いに」に出て来る、「月が出たので、きつねの毛なみがぎんいろに光り、その足あとには、コバルトのかげがたまりました」などの表現も秀逸。そういえば、「きつね」が出て来る作品が随分多かったなあ、どれもそれぞれに魅力があったし・・・。



ところで、これらのお話の一部に挿絵をつけてる鈴木義治さんの狐、最高です。ユーモラスで、すごく人がよさそうなの。特に「ごんぎつね」の最後のページ、「青いけむりが、まだ、つつぐちからほそく出ていました。」という結びのすぐ横で、優しそうな三日月の縁にのっかって、栗を抱えて何事か喋ってる(ちょっと得意げなのがまた!)ごんの姿には思わず涙が・・・やられた~。
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 昔から、子供に当たる大人って大嫌いでした。大人の事情、自分の重さを子供におっかぶせてどうしたいの?



この作品中の「ママ」が、まさにそういう人。おかげで、読んでる間ずっとブルー…(涙)子供の戸惑いや悲しみが、個人的体験とリンクしてしまうのか(上手いということなのかも)。きつっ。

登場人物、設定も、余りに典型的な人が多すぎじゃ…?変わり者で、子供に理解のあるおばあさん、とか、「大人も可哀想なのよ」という台詞とか。よく映画にないっけ、そういうの… 



好きな情景描写もあったけど、二度は読まないだろうな。


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昼間のお日様の光が好きで、詩作の好きな変わり者の小さなコウモリの、なんだか可愛いお話。訳者も詩人さんですね。



自分の詩の理解者を求めて一生懸命なコウモリ君に、ちょっぴりきゅんとなる。そりゃ、韻がいい、なんて誉める鳥より、素朴な賛辞を送ってくれるシマリス(これまた可愛い)に聞いて欲しいって思うのは無理ないよね!この良きアドバイザーシマリス君によって、彼の詩の世界はどんどん膨らんでいくのです。なかなか詩の良し悪しについて言ってくれない相手に、「詩はどうだった?」って一生懸命聞くあたり、とってもかわいい(><)

でも、本当は一番詩を聞いて欲しいのは、仲間のコウモリ達。最後の最後に、彼は「コウモリ」の親子の詩を作ります。目が醒めたら、きっと仲間たちも詩を誉めてくれるさ。ただただ、彼の詩に対するひたむきな心に胸を打たれる。



フクロウの詩がいちばんいいなあ。コウモリ詩人がどんなに息をつめ、畏れながらフクロウを見つめていたか、その緊張と感動がまっすぐ伝わってくるのです。うん、寝る前に良い本を選んでよかった。



それでは、おやすみなさい。
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あるところに、双子の王子さまがいた。兄王子はとても聡明で、それを自負している。ところが、弟のほうはどうしようもない愚か者!この弟を教育すると嘘をつき、王からお金を騙し取った魔術師たちを、兄王子は怒って殺してしまう。これを諌められ、本当の賢さと強靭な精神力を身につけるため、彼は金玉鳳凰を捕まえにいく・・・

というのが、導入部分。物語の中心は王子の冒険ではなく、捕まえた鳳凰が語ってくれる数々の物語のほうにあるのです。



とても土地の色彩の強い物語だなあ、というのが最初に持つ印象。そして、王子の精神を鍛えるのが目的の物語だから、かなり教訓的色彩が濃いのは否めない。・・・でも、そういうところを気にする必要も無く、楽しんで読めます。

「それでそれで?どうなんの?」という部分で、鳳凰が一旦語り止めてしまうのがうまい。これに王子は何度も何度もひっかかり、「口をきいてはいけない」という戒めを忘れてしまうのです(結構、懲りない人です)。「金沙江の女軍」という話が一番のお気に入りかな~、河や山脈が擬人化されてるんだけど、スケールが大きいなあ、さすが大陸の物語・・・と妙に感心してしまった。スケールの大きさだけじゃなくて、適度にロマンチックな要素もあるのがいいなあ。ラスト近く、どんどん立ちはだかるものを滅ぼしてきたヒロインの河が、なんとか恋の誘惑を振り切って、誇り高く笑うところがかっこいいのです!可哀想な求愛者は、このために自分の父親に殺されてしまうのですが、それでもこのヒロインはとても魅力的。りりしい!



竹取物語によく似た「竹娘」や、グリム(だったっけ?違うかな?)にある、何でも金に変えてしまう手を持ってしまう話を思い出させる「黄金の夢」などにも注目。どこかで繋がっているんだろうか・・・。そんな読み方も面白いかも。
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そろそろ、読書の時間を減らさねばならなくなってきました。でも、毎日が教科書の無機質な活字に埋め尽くされるのは余りに悲しい(涙)



というわけで、しばらく児童書を梯子することに。自分の部屋にあるのに、読んでない児童書が随分あることに気付きました。昔から、読めと言われると読まない子供だったのだな・・・(汗)



一冊目は、「しずくの首飾り」。箱から出したとたん、鮮やかなオレンジと黄色が目に飛び込んできました。中のカラー挿絵(モノクロも多数あるけど)も、強い配色だけどなんともいえず幻想的できれい。ちょっと外国のクッキー箱の装丁みたいだな、と思いました。人物の姿だけが、影絵のように真っ黒になっているところも、余計想像力を膨らませてくれます。これほどぴったりな絵もない気がする。





お話のほうも、文句なく好みでした。ちいさいころ読まなかったのが悔やまれます、もったいない・・・!空のかけらが入って、ぷかぷかと旅をするパイの話、絵本から飛び出した生き物と遊ぶ子供、いろとりどりの布で織られた魔法のかけぶとんの話に、家が歌好きの家を生む(しかもたまごから!)話(これ、ユーモラスでとても好きです)、などなど、涸れることのない想像力の産物たち。思わず、こちらの頭の中でも色鉛筆や絵の具の行進が始まってしまいます。そして出てくるキャラクターたちの、のんきなこと。こんなおおらかな心が、魔法を引き寄せるのかもしれないな。



大事にとっておいて、小さい子供が来たら、いつか読み聴かせたいような本でした。その日の夢は、とってもカラフルで、醒めたくないくらい楽しい夢になるのじゃないかなあ。エイキンの本は、他に岩波から「海の王国」というのが出てるみたいなんだけど、絶版になってなければいいなあ・・。
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途中で目が離せなくて一気に読みました。貸してくれたヒノキちゃん、ありがとう!!!



やあ、面白い。文章がすっすっと入ってくる人ですね~。落ち着いてる印象。お蔭で、ものすごいスピードで読めます。でもそのせいで、細部を流し読みしてしまっているところがあって、謎解きや社会背景の説明部分になると混乱しちゃうところも(笑)推理もの(?)に速読はいけない、速読は。



ちょっと京極夏彦の小説と雰囲気が似てるかな?と思ったんだけど、薀蓄が長すぎない分こちらの方が好みです。あと、文楽好きの私としては、黒子さんと娘人形(そんなところにいたの!?という驚きの場面もある)の存在はたまりません(><)ラストの、闇のものが大噴出してくる場面なんかも、すごくいい。ぞわぞわぞわ、と背中に走るものがあります。雰囲気に酔って楽しむ小説だなあ、と個人的に思いました(いやいや、内容も面白いんだけど!)。



ラスト近くの謎解きは、えええ~?そんな極端な動機と性格ありなの?と度肝を抜かれましたが・・・いいです!そういうの嫌いではないので(笑)でも、男の人が読むと多少違和感があるのじゃないかな、と想像してしまう。女の人独特の設定じゃないかな、これって(・・・って、これで本人が男性だったらものすごく恥ずかしい)。





・・・そして、なぜか、全部通して最も好きなキャラクターは、ほんとに最後にしか出てこない無邪気な男の子だったりするのでした。この少年好きめっ(笑)



というわけで、いつか漫画にも手を伸ばしてみます!そして、とりあえず既刊の「魔性の子」は古本屋に買いに行きます(笑)
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絵入りで読んだ「冥途」のイメージを一度払拭するのに、やや手間取りました(汗)インパクトある絵だったからなあ・・・



百さん(馴れ馴れしい)の小説は、「ノラや」などの随筆とはまた一味違ってて、それがまた新鮮。この巻には「冥途」を始めとして、何とも不思議な読後感の短編(本当に短いものがほとんど)がたくさん載っています。



暗い土手。花火。顔の長い、輪郭のぼやけた人間。稲妻。猫・・・。そういうものが、何度も何度も現れる。読んでる間中、頭の中に黒いような青いようなもやもやが立ちこめて、低い地鳴りのようなものが響いてる気がします。



何だろうなあ、こういうのって、どっかで経験したことあるなあ、と思ってちょっと考えて思い出す。あ~、幼稚園くらいの頃の夢に似てる。

今とはだいぶ、怖い、と思うものが違ってる頃の夢。あ、今夢見てるんだ、でもどうやって醒めたらいいのかわからない。このままここにいると、怖いものがくるんだ、と思った瞬間、予想通りにどんどん事態が悪化していく、こわい夢。けれど、そういう夢は起きてしまって思い出すと、どこか「変な感じでおもしろい」というのも多かった。この集成に含まれてる話も、すっごく不気味なんだけど、どこかで、「おかしいんだ」って笑ってしまえるユーモアがある。そういうおかしさが具体的にどこから来るのかよくわからないのだけど、多分、物語の中にいる「私」が、困ってるのにどこかすっとぼけた行動をとるところに有るんだろうなあ・・・、「件」とかさ。



ああ、怖くておかしかった。でも、「遊就館」だけは、ひたすら気持ち悪くなってしまった。唯一、嗅覚にまで訴えて、「グロテスクだなあ」と思った作品かもしれない。





蛇足。この人の描く動物は、みんな艶かしい女性みたいだな。鯉とか水鳥とか。こういう動物が出てくる作品に、惹かれるものが数多くありました。
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タイトルのまんまの本。



面白いなあ、そうなんだ!と思わせる箇所も結構出てくるのですが、

この本は、自分の中では「今年初の大ハズレ本」(怒)!

何がこんなに腹が立つかって、第二章の内容です。「誰かの脳から他の人の脳に記憶を注入できますか」「人間の脳に何かを移植してコンピュータデータに直接アクセスすることはできる?」に対するこの人の答えときたら、倫理観の欠如も甚だしい。偉人の業績等を、注射一本で得ることが素晴らしいだって?この人には、「ものを生み出す力」とその努力過程に対する尊敬の念が全く無いのですね。ぞっとした…。



科学者の人が皆そうだと言うわけではないのですが(寧ろ人間に対する愛情をあわせもってる人のほうが多いと信じたい)、時々「どこまで高度なことができるか」という結果しか見えてない、子供より始末に負えない無邪気な人がいるなあ、と怖くなることがあります。どう育ったら、そうなるんだ?不思議でしょうがない。うーん・・・。
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1986年~去年までの、新語や流行語の解説で綴る日本。コラムや社会状況概説もあり。



読んでると不思議な空虚感が襲ってきます(汗)あ~…およそ二十年前も、若者(私も含む)は 駄目駄目だったし、訳の分からない消費社会っていうのも同じなんだなあ…とか。モラトる(モラトリアム、成熟拒否)とか、パラサイトシングルとか、昔は何とも思ってなかったのに、今読むと激痛です。ははは、モラトリアム万歳。(自嘲気味)



仮想現実とほんとの現実の区別がつかない若者、という論法がいつ(誰によって)発生したかわかったのが、一番の収穫?かなあ。この意見の穴を指摘してるコラムに、ちょっぴり拍手!
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こんな本がうちにあったのか。十二年の時を経て開かれる本。



「指輪物語」の作者による、子供向けの冒険ファンタジー。ホビットのビルボ・バギンズ君は、平和と安息を愛する小人。それなのに、ドワーフ達の竜退治、宝物奪還の旅に巻き込まれる羽目になってしまうのです。トロル、謎謎をかける不気味な怪物、誇り高いエルフ達との出会いや戦いによって、次第にビルボの中で冒険を愛する勇敢な小人の血が目覚めて・・・

というのがあらすじ(?)。



「指輪物語」を読んでいる、ないし観ている人が読むと「あっ!」と思うようなエピソードやキャラクターが出てきます(私は「指輪」のストーリーはほとんど知らないのだけど)。魔法使いガンダルフとか、指輪のエピソードとか。でもここで出てくる指輪は、姿が消えるという以外特に不思議な力がありそうにはみえません。



個人的な感想は、「同じ冒険ファンタジーなら、ゲド戦記やプリディン物語のほうが好み・・かな」です。これはもう好みの問題で、あまり色んな種族の戦いの模様とかに興味が向かなかったのです。あまりドワーフ達が好きになれなかったのも原因か・・・だって、だって、

扱いにくい頑固じいさんのあつまりじゃないですか(汗)かわいくないし・・・←大暴言

ビルボの苦労が忍ばれます。トーリン王なんてもう、だんだん腹立ってきちゃって(大人気ない。)・・・

あ、でも、トーリンの最後の勇猛な戦い振りは、王様の風格たっぷりで、とても鮮烈な印象を残します。あれで前の情けない姿は帳消しにしてもいいくらい、カッコ良かった。



あと、ゴクリという怪物とのなぞなぞ問答は、楽しくてしょうがない。しかし、何だかゴクリがものすごく可哀想な気がするのは気のせい?彼が何をしたというのだ・・・(笑)





それにしても、自分の「良さを感じるアンテナ感度」の低さが恨めしいです。合戦の場面とか、とても生き生きと描写されてるのはわかるのに、そこに全然関心が持てないなんて悲しい。たくさんのものに喜びや美しさが感じられる人間になりたいものだ、と読了後ため息が出ました。
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 「暮らしの手帖」、なんだかいい雰囲気の雑誌です。祖母が定期購読していたので、随分小さい頃から目にすることが多くて、遊びに行くたびに広げてたなあ。藤城さんの影絵童話が載ってるのが一番の魅力でしたが、他の雑誌とはちょっと違う手触りの紙に印刷された文字(ちょっとかすれてるみたいなやつ)とか、妙に古びたカラーページそのものがお気に入りだったのです。挿絵もユーモラスで洒落ていた。



その「暮しの手帖社」がエッセイを刊行していたので、思わず手にとってみました。あ、いかにもここの出版社らしい装丁と印刷だなあ。昔の文庫本の活字みたい。著者は「沢村貞子」さん。私は顔を存じ上げませんが、確か有名な女優さんではなかったかと。兄弟は歌舞伎の子役・役者になり、父は狂言作者で女性によくもてた、という背景の持ち主。



浅草の年中行事や子供の情景、家庭のちょっとしたエピソードにも心踊りますが、なんといっても、ここに登場する女性たちが印象に残ります。彼女たちの経験したものは、ちょっとやそっとの軽いものではなかったはず。どろどろとしたところに落ち込んでしまいそうなところを、しゃんと背筋をのばして、顔をあげて笑っている強い女性たち。ことさら男たちに抵抗し、声高に被害者であることを強調しない分だけ、彼女たちの強さは引き立つのかもしれないなあ。

でも、時にはそういう女性たちの心の葛藤、寂しさが垣間見えるときもある。そういうエッセイ、「秋田の女」「羽子板市の夜」は私がいっとう好きなものだったりします。当時まだ幼かったけれど、でも同じ「女」であった筆者が、ここに登場する女性たちに向ける目は限りなく優しい。

全体に、この人の筆致はやさしく、物悲しい感じがします。失われつつあるものを、そっと掬って壊れないように(溢さないように)守ってるんだ、と思う。こういうエッセイ、好きだな。
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 文句なくお気に入り本に一冊追加のファンタジー。表紙の絵が、大きな振り子時計の扉を開けて、中を覗き込む幼児、というのに惹かれて買ったのですが・・・まさにその絵が示唆する期待と不安が詰まった物語。どんどん本の中へ引きずり込まれていきます。



お屋敷の中を徘徊する、謎の老人司書。彼は司書であり、墓守でもあり、大鴉(!)でもある。彼に導かれ、月の謎めいた光が包む不思議な世界と、現実の(?)世界を、「わたし」は行ったり来たりするのです。



この謎めいた老人が「アダム」で、その妻である魅力的な女性が「イブ」だったというくだりでは、正直「う・・・そっちのお話なのね」と思ってやや興ざめしたのですが、やがてそんなことは気にならなくなってしまうほど、豊富なイメージに酔っ払ってしまうのでした。膨大な量の色彩を伴うイメージが飛び出してくるはずなのに、どれもどこか深い夜の色をくっつけていて、しまいには全てがその静かな色に吸収されていくような気がするのはなぜなのだろう。「わたし」を常に見守る、月の光がとても印象的。マーラという「悲しみの貴婦人」とイメージがかぶります。



個人的には、できるだけ静かな部屋で読むか、喧騒が最高潮という部屋で読むかのどちらかがいいように思います。うるさいのも頂点を過ぎると、静かなのと一緒だから。解釈を放棄して読み始めてからが、楽しいですよ。
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タイトルから推察されるように、ベートーヴェンの伝記です。1979年発行か~、ちょっと昔の本ですね。



ん・・・と。多分、この本はクラシックに詳しい人の方が楽しめるのではないかと思います。彼の経験する恋愛(どれもこれも実らないのですよ、かわいそう・・・)や試練が、その時々作曲された作品にどう反映してるかという点に、かなり重き(やや置きすぎでは、特に恋愛を作品の内容にここまで結びつけてもいいものか、ちょっと疑問を感じました)を置いた本なので・・・。だから、「エリーゼのために」と「運命」しか知らない(私のことだ)人にとっては、「ふーんそーなの?知らないから何とも言えないなぁ」というところが出てくるのは否めない・・・かも。先に作品を聴いてみればよかったかな?と、ちょっぴり後悔しています。ともあれ、ベートーヴェンの人となりを知る上では、なかなか興味深い本ですよ~。



人生における苦悩を作品にする方法には、二通り有るのですね。ストレートに苦しみを吐き出し、見る者聴く者にぶつける方法と、それを乗り越えていこうとする動きを形にする(うーん、なんか的確さに欠ける表現)方法。ベートーヴェンは後者の方法もちゃんと知っている音楽家だったのだなあ。私もそういう表現方法を身につけていきたいな・・・というのが、読了しての感想でした。



ところで、この「岩波ジュニア新書」シリーズって、何歳くらいが対象なんでしょうね。私がジュニアだった頃には、ちと難しくてほとんど読んでないなあ。カバーしてる分野が幅広くて、面白いのが多いんだけど。
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